ゲームプレイ日記 アサシンクリードヴァルハラ 最終章

イギリスで唯一「大王」と呼ばれる人であるアルフレッド。

 

この人の偉人っぷりはゲーム的にはすっ飛ばされる要素で、戦いで一度敗れて亡命状態になるという人生のどん底部分が描かれてるんですが、それでも強い。揺らがない。ヴァイキングたちが揺らぎまくっているというメインストーリーの中で古き結社の総長という立場を引き継ぎ、それを破壊することを目的としていたという辺り、完全に裏主人公ではある。

 

ゲーム的にはプレイヤーが達成するんだけど、信条がある。

そして最終章では亡命から返り咲いた姿を見ることになる。

 

デーン人、ヴァキングのトップであるグスルムが洗礼を受けることを条件にした和議を成立させた、という歴史の転換点にエイヴォルがどう参加したのかしなかったのかわからないのはちょっと納得しかねる感じもなくはないんだけど実際のところメインストーリーにおいてヴァイキングは(プレイヤーの手によって勝利を得るけど)それでは満たされないのだということを繰り返し描いていて、平穏や安寧を求めているのではないかということが語られているので、アルフレッドの戦士ではないスタンスが状況を替えたんだろうなぁということは伝わってくる。

ヴァイキングの時代が終わる流れの中でエイヴォルさんはイングランドを去る。

 

最終章は要するにもうヴァルハラを目指さないという宣言だったという話。戦って戦い抜いてヴァルキリーに迎えられてオーディンの館で宴と戦に興じるのは求めていたものではない、という話はやってきた訳だけど、一方でエイヴォルさんはオーディンラグナロクで死んだ後の転生先でもあることがあって自分が分裂しているかのような言動(プレイヤーの選択)があったのも事実でそこをもう切り離して生きるよ、という具合になったというところ。

 

プレイヤー切り捨てである。

アサシンとしての信条はバシムの方にあるんだよ。

 

ということをプレイヤーに伝えるのが目的だったというところなんですが、じゃあなんでアサシンでもない人をアサシンにするゲーム作ったんだよと言いたくなるし、ラグナロクの始まりなんてDLCを作って結局ラグナロク本番は描かんのか!って点でも投げっぱなし感はある。これは否定できない。

 

とは言え。

 

現代編と過去編のバラバラ感をなんとかするためにカサンドラさんを未来まで生かしたりしたんだけど、今度は神話を代入して過去から未来へ光を当てて過去の隠れし者を主人公として未来に運ぶことでこれからのアサシンクリードを作ろうとしてたんだなというコンセプト自体はこの最終章でかなり明らかになったと思う。

 

エイヴォルさんはきっと幸せな未来を手にしたんだ。

 

そういう形になったことで、この物語としては敗北に向かう大規模オープンワールドRPGを一定程度は明るいものに(おそらくはそれほど予算をかけずに)まとめたという点で存在する価値はある最終章だったとは言える。そもそもここまで遊んだプレイヤーはゲーム部分はかなり遊び倒しているはずなので、エピローグとしてのアッサリ感は次回作への渇望に変えていきたい。

書きながらなんだこれって思ってました。