終わらないのがエヴァみたいなところあったんで。
終わらないことに文句言える対象を喪失することがひとつある。終わっとけよ、って作品は多いけどエヴァがそれらとは違うところはどうすれば終わるのか未だによくわからないところだと思う。
そもそも終わらせ方をちゃんと考えてなかった。
観客にぶん投げるTVと旧劇はその結果だとわかるし、実際それで納得してたところもあって、新劇はそこからどう進むのかってところを見てた感じがある。作品の当事者は観客から庵野秀明に移ったと言うか。
ずっと蹴りをつけないことが答えと言えば答えだった。
庵野秀明は進んでない。
そのことに安心してたところはあった。だがジブリで声優やってゴジラやってウルトラマンに着手して、そしてエヴァを終わらせる。進んでた。エヴァではないところでちゃんと進んでた結果が出る。2021年は遅すぎるとも言えるけど、遅いことが進んだ事実を否定するものでもない。
どうあれ終わるのだ。
納得は庵野秀明の中にあればいい、と言うと変かもしれないが、それを見せられるところに引っ張り込まれた観客になるのだと言う意識を持ちたいと思ってる。見捨てる機会はいくらでもあったのに呪縛されている観客としてスクリーンに向かう訳だから、文句を言ったとしても敗北しているのだ。見た時点で負けだ。
負けにいく。
気持ちよく負けられれば名作。打ちのめしてほしいと思ってる。死ぬまでその敗北を引きずらせてほしい。つまんない。どうしようもない作品に何年も呪縛されたなんて言いたくない。それが率直な気持ちだ。