ONE PIECE 第177話

“3000万vs8100万”を読み返しました。

 

ちゃんと送り届けろよっ!!!

ビビを宮殿までちゃんと!!!

 

クロコダイルに引っ張られヒッコシクラブから降りて対決を選ぶルフィ。その笑顔にゾロは『バカが…』と言いながらも状況を理解し副船長っぽいことを言ったりする回。

 

“反乱軍”が走り始めた瞬間に

この国の“制限時間”は決まったんだ

“国王軍”と“反乱軍”がぶつかればこの国は消える!!!

それを止められる唯一の希望がお前なら…

何が何でも生き延びろ…………!!!

この先ここにいるおれ達の中の……

誰が…!!

どうなってもだ……!!!

 

引用としては長いけど状況を的確に伝えて尚且つ有無を言わさない説得力。ゾロはアラバスタ編でやたら賢い、と言うべきかミホーク戦での敗北以降、アーロン戦やローグタウン、リトルガーデン、ドラム王国と地味に力不足を感じているからかあんまり余裕ぶっこいてないところがある。鉄を斬る前フリとしてのシリアスとも言える。

 

スランプだった訳だ。

 

ルフィとは違った意味で、内心を見せないキャラなんでわかりにくいけど、重傷だったとは言えアーロンを倒せていれば、ルフィがあっさり捕まったからとは言え処刑台を斬り倒せていれば、ドルドルに捕まっていなければ、ドラム編で迂闊に寒中水泳してなければ、そんな具合でウィスキーピーク百人斬り以外ではミホーク戦以降はそこまで華々しい活躍ないんだよね。別に負けてる、とまでは言わないまでも誇るほど勝ってはいない。そこで七武海のクロコダイルと遭遇となれば緊張感は出る。結構長い期間の溜めを作ってる。そしてサンジにその辺りを見抜かれてたりして。

 

ゾロの扱いは結構繊細な感じがあるよね。

 

世界最強の剣豪ってのが少年マンガ的な価値観において海賊王を食っちゃう可能性があるってのはもちろん、ミホーク戦が初期も初期のエピソードなんでパワーバランス的に強すぎて物語を壊したり、逆に弱く見えたりするとキャラの格がブレかねないと言う意識はあったのだろうと思う。その試みが20年後までそこそこ成功してるのがONE PIECEの凄いところである。ドフラミンゴの糸は斬れても良かったとは思ってるけど。

 

で、ルフィ対クロコダイル。

 

ビビの主張は甘ったるい平和バカだとクロコダイルに言われ、ルフィがそれを肯定しつつ、馴れ合った奴らを見捨ててきたクロコダイルこそがバカだと図星を突く。この辺のやりとりはルフィを賢くしすぎた、と反省材料になってる感があるね。確かにカッコいいんだけどここまで達観してしまうとキャラが冷酷に見えるかもしれない。

 

3分の戦闘。

 

大ボスとの初戦は敗北するのがお約束。読者もここでクロコダイル倒して反乱が普通に止められてハッピーエンドとは思ってないのでどう負けさせるかが描き手の手腕なんですが、ロギアはその辺便利で、ルフィの猛攻を避けずに受け流せるだけで強者を印象付けられる。

 

その一方での『かぺ』。

 

口喧嘩ではルフィがやたら圧倒してるんだよなクロコダイル。ほんとこの人は喋るとボロが出る。いちいちキレやすいってのもそうなんだけど、勝てない、を言えなかったオチは敗北イベントの読者ストレスを上手く軽減するネタだなぁと思うところ。そんなに勝ち誇りたいのかとは思うが、プルトンに頼るぐらい負けてアラバスタ乗っ取りとか言う地道な作戦やってるんで鬱屈してるんだ。

 

あけましておめでとうございます。

 

20巻から2020年がスタートです。この一文を書くために調整しました。キリがいいと気持ちいい。そんなブログ今年もよろしくお付き合いください。