ONE PIECE 第204話

“RED”を読み返しました。

 

何度殺されりゃあ気が済むんだ!!!?

 

地下聖殿に現れたルフィに叫ぶクロコダイル。状況的に勝利そのものは揺らいでいないのに、あんまり余裕がない。殺しても殺しても立ち向かってくる相手。心は折ったつもりだったのだろう。あるいは同様の状況に自分が追いやられたときはもう心が折れていた。実際に命を絶たれなくとも、そう確信があった。

 

………まだ返して貰ってねェからな…………!!

お前が奪ったものを……!!!

 

問いかけに答えるルフィ。海賊としてこのアラバスタの反乱と陰謀に介入する戦いでなにを目指すのかをここではじめて明らかにする訳です。クロコダイルを倒すことの意味とは『国』であると。この島にやってきたときにはもうビビの国ではなかったのだと。クレバーな回答過ぎて、反論を許さない。

 

ここが本当にあいつの国なら

もっと…!!!

笑ってられるはずだ!!!!

 

このセリフの後にクロコダイルがビリッ!!と動じるコマが入ります。覇王色です。たぶんそういうことです。覇気は後付け設定とよく言われますが、演出的に固まったのが後からと言うだけで要素そのものはこの時点であったと言うのが個人的見解です。

 

血。

 

砂を固めるほどの血を流している、って絵じゃないんだよねルフィ。確かに血みどろではあるけど、流血の度合いは水の量とは比較にならない。ここでは、血が解決法みたいになってるけど、覇気みたいな力は肉体から出てるんだから、血を流すことで出やすくなってるんじゃないの? みたいな解釈でもいいと思う。

 

ロギアの設定時点で毎回弱点は無理だとわかってたはずだし。

 

水もなく蹴られるクロコダイルはこの時点で息が上がってます。エースもそうですがロギアが殴られるのは結構レアなことだと思う。新世界の海賊でも船長クラスでなければ覇気は使わないし、七武海や白ひげの隊長ともなればそもそも敵対してくる相手が少ない。そして砂や煙はともかく炎や氷、マグマは殴ったことのダメージも発生する。対抗要素は必要不可欠だった。

 

執念に報いるクロコダイル。

 

ルフィを目障りな敵と認め、切り札の毒針を出すクロコダイル。心を折るのではなく命を取りに行く。生き残りを賭けた戦い。まだ自分が格上と言う態度そのものは崩してないけど、これを言った時点で追い込まれてる側なのは間違いのないところ。一端の海賊と認めちゃってるからね。

 

そして一味は時計台へ。

 

道に迷ったゾロが海軍に誘導されたり、ウソップとビビがたしぎに援護されたり、クロコダイルの思惑が崩れて行く流れと連動する勢いのままにこの辺りからは読み返すとノンストップで空島まで行ってしまう。大袈裟? いやいや、1億の男になる辺りまでテンション高すぎるんだよね。ガチの第一次ピーク。空島の評価が昔低かったのはこの流れからのブレーキによる速度差だと思う。勢いが良過ぎたが故の落差。