“越えて行く”を読み返しました。
戦いを!!!
やめて下さい!!!
時計台の上から叫ぶビビの回。砲弾を抱えて散った(散ってない)ペルの姿を見ながらも犠牲者を少しでも減らそうとすることを忘れない。地上の人間が吹き飛ぶ爆風を受けても戦い続ける人々や、その光景に狂気を感じて動けなくなるたしぎ、麦わらの一味でさえも止まったその瞬間まで王女だった。
だからルフィは戦っている。
呼応するかのような叫びからのパンチキックそして拳骨。ここまでの戦いですでに息が上がっているクロコダイルでもあり、相手はサソリの毒も入っている。理解ができない脳裏にはMr.5ペアを倒したと言う報告を聞き流し、Mr.3が取り逃がした報告をした時、そしてロビンが現れたことを報告した時が蘇る。
気に留めるような相手ではなかった。
……どこの馬の骨とも知れねェ小僧が……!!
このおれを誰だと思ってやがる!!!
自分を鼓舞する言葉は海賊としての格、その圧倒的であったはずの部分。プライドだった訳だけれども、折られた毒針からスナスナの能力ではなく、さらに刃物を出すに至ったのはある意味で力尽きている証拠でもあると思う。鍛えた能力をここで信じきれなかった。
お前がどこの誰だろうと!!!
おれはお前を越えて行く!!!!
そのクロコダイルの甘えを見逃さないルフィ、と言う構図。能力を鍛えてきたのは同じであり、蹴り上げたところから砂嵐『重』で圧力をかけてももちろん潰れない。ゴムだから。風船で膨らみ、捻って息を吐く。これで回転しながら飛び上がれる理屈はよくわからない! そしてこんな技を前もって考えてたとも思えないがゴムゴムの暴風雨がここに完成する。
砂漠の金剛宝刀を砂に戻す力。
覇気ですね! 能力の実体を捉える力の存在はここでしっかり描写されてる訳です。砂を刃のように使えてもその力の前では砂に戻っている。砂そのものにダメージが存在しないロギアだからこその描写。勢いだろ? いや、その勢いに説得力があれば世界を変えられるのが少年マンガだから!
地下から地表までぶち抜く暴風雨。
何気にルフィ単独の攻撃描写としては最大規模なのでは? って感じがする威力です。砲弾の爆風では倒れなかった建物もまとめて倒れてるし。相乗効果? ともあれこれでやっと敗れるクロコダイルは決して弱くはないよな。タフです。ボスはどいつもこいつも。ドフラミンゴで硬さのピークは迎えてるんで、カイドウとかどうやって終わらせるのかわからんもんね。