ONE PIECE 第211話

“王”を読み返しました。

 

イガラム到着。

 

おめーナノハナ襲撃されてっし、コーザも撃たれてっし、反乱で大勢倒れてんぞ! 悪夢で済む訳ねぇだろこのタコ王女! と言う前回ラストへの国民からのアンサーに対して、なんか生きてたチャカが国王軍を抑え、イガラムがカッパ少年を連れてきて国王がニセ者だったと証言してくれて、コーザも生きてたんで反乱軍も説得できる流れ。

 

だれか死んでたらたぶんこうはいかない。

 

イガラムに関してはロビンの温情だろうし、チャカはゾオン系のタフさ、カッパ少年はボンちゃんの甘さ、コーザは、なんで生きてたのか不思議だ。あの乱戦でリーダーを守りきった砂砂団メンバーたちの奮戦はあったと言うことなのだろう。ともあれ国民同士だし、雨も降ったし、戦いは終わる。紛れ込んでるバロックワークスたちも空気は読んだ模様。優秀なモブだ。

 

そしてルフィは王に背負われて仲間と合流。

 

このシーン何気にすごい好き。ビビの願った戦いの終結を共に喜ぶでもなく、疲れ切っていながら、ルフィを探してだろう、一味がまとまって歩いていく感じ。逃げるでもないけど表通りを大手を振って歩けない姿が海賊らしい。

 

ビビちゃん わかってんだろ?

オレ達ぁフダツキだよ…

国なんてもんに関わる気はねェ…

 

サンジのセリフはこれリアル王子だったことを考えるとさらに趣があるよね。幼くして虐げられ、逃げ出してるから王族の自覚なんか芽生えようもなかったはずだけど、考え方しっかりしてる。そしてこの考え方はこれからの冒険でも徹底されてる。

 

そして全員がぶっ倒れる。

 

アラバスタ編は一人残らずヘトヘトなんで総力戦って感じだよね。まぁ何時間の移動で幹部と戦って砲弾探して走り回り、反乱を抑えようと最後まで休みなし。安全な場所まで逃げることもままならない。実際のところ一味にとって最大の危機ではあった。たしぎが見逃した件は次回だけど、ここでひとりでも捕らえられてたら歴史が変わってたね。

 

クロコダイル権限剥奪。

 

七武海クビ。イガラムが伝えた情報から、すべての元凶扱い。元凶は元凶だろうけど、プルトンを隠し持った国だからこその事件と考えると、ネフェルタリ家が負う責任もないとは言えないと思うんだよなぁ。主にグランドラインの国家として弱すぎる国防に関して。イガラムチャカペルが最大戦力じゃ、たとえばワポルレベルでも野心を出して攻めてきたら防げない気がするんだ。クロコダイルがいなかったらそこらの海賊に襲われまくってた訳だしさ。黒ひげがドラムを襲った理由は未だ不明だけど、距離的には襲われてた可能性もある。まぁ、この時点で七武海とやりあう気はたぶんなかったと思うが。

 

悔やむ事も当然……

やりきれぬ思いも当然

失ったものは大きく

得たものはない

 

コブラは名君扱いされることが多いけど、このブログで再三書いてきた通り、個人的にはあんまり有能さを感じてない。物語の都合はもちろんあるんだけど、このセリフとかプルトン隠し持ってたからクロコダイルに狙われたって事実を国民に知られたらお前が言うな過ぎじゃない?

 

…………この戦争の上に立ち!!!

生きてみせよ!!!!

アラバスタ王国よ!!!!

 

プルトンをなんのために守っているのか。その理由に関してはこの時点のストーリーと絡まないし、そのことを疑問に思うキャラもいないのでコブラが問われることはないんだけど、民が国だ、と言いつつ王家を存続することが大前提のこのセリフは当時の感動ほどには素直に読めなくなってる。

 

口は上手い。だが、果たして名君か?

 

七武海撤廃で荒れる海にアラバスタがどう乗り出すのか。無策で再び存亡の危機に陥るならコブラ  はなんにも考えてなかった王ってことになる。ビビがイムに目をつけられてることを考えるとなんらかの形でこの辺りの消化不良を拾ってくる気がするのだ。