ONE PIECE 第203話

“ワニっぽい”を読み返しました。

 

記されていないわ

ここには歴史しか記されてない

 

アラバスタのポーネグリフは読まれた。ロビンがクロコダイルに伝えた言葉は当然ウソ。コブラが約束を守ったと言い、それをロビンも認めている。隠しているすべては明らかにされたのだろう。問題はプルトンがこの地に眠っているのかどうかだ。

 

メタ的に言うとたぶんここにはない。

 

いや、初期構想ではアラバスタにあった可能性は高いんだけど、これからの物語でプルトンが必要になったとしてアラバスタまで取りに戻る流れは段取りがよほど面倒なので新世界のどこかにあることになるんじゃないかって話。使うかどうか、で言えばそりゃ使うだろうと思う。ロビン、フランキー、しらほし、ルフィ側に全部揃ってる切り札だからね。なんのために使われるかはまだわからない。

 

敵を倒すのには使わないだろう。

 

ともあれ報告を聞いたクロコダイルはロビンを殺すことを決断。まぁ国家機密が表に知られててもおかしくない単なる歴史ってのはウソとしては甘いよね。ロビンも期間があったんだから適当なダミーネタでも用意しとけば良かったんだが。即、殺されるとまでは思ってなかったのか驚いている。一応、水は用意してたけど、まぁ、非情になるならウソをつく前に先制でナイフを刺せば良かった。ハナハナは相手が警戒する前なら相当に強いんだし。

 

4年前に結んだおれ達の協定は

ここで達成された

お前がおれに持ちかけた話はこうだ…

“歴史の本文”のある場所へお前を連れていけば

“兵器”の情報はおれにゆずると…

 

クロコダイルがどの程度ロビンから持ちかけられた話の裏を取ったのか、まさかそのまま信じた訳でもないと普通は思うんだけど、手配書の件との兼ね合いでそのくらいヤバい情報を持ってると信じてたから即座に殺しに来たのかね? 怒りなど感じないとか誰一人信用しちゃいねェとか、ルフィに対してキレながらもトドメまでしっかり刺さなかったのと比べると胸のど真ん中にいきなり行ったのはガチ感がある。この人、言ってることが大概本心の裏返しだろ、と感じるところ。

 

むしろロビンが死ななかった理由が不明?

 

死亡確認の前にコブラが地下聖殿を崩壊させようとしたんで、ここは割と上手い有耶無耶。ロビンがプルトンの情報を喋らなかったのを確認したからこそ心置き無くポーネグリフを闇に葬る覚悟を固めたんだろう。

 

ネフェルタリ家第12代国王の名において…

お前ごときにこの砂の国はやれんなァ…

 

散々、民こそが国って言ってきたのにここにきてポーネグリフを守ることと国を守ることを同一視するかのようなセリフである。クロコダイルを道連れと言うより確実にロビンを葬りたいんだろう。物語的には聖殿の崩壊が仮眠するルフィを起こすって言う理由もあるんだが、アラバスタという国があることはプルトンの存在と切っても切れない要素なんだろうと思わせるところ。

 

ビビは砲弾のありかに気づき、ルフィは起きる。

 

ワニっぽい穴を見つけるオチ。国王をやっと案内させた国家機密をあっさり見つける強引さなんだが、読者の没入感を削がない名采配。タイムリミットを迫らせてグダグダと展開を滞らせないようにしてる。ま、砲撃を言い出してから1巻以上引っ張ってるんで、連載時は相当に焦れてたけど、単行本で読み返す分には気にならないよね。