善逸が人気一位ってのはやっぱ意外だ

いやぁ、鬼滅の勢いは凄いね。

 

こうなると最後までアニメ化されるだろうし、制作ペースを多少あげても、短くて5年、長けりゃ10年ぐらいは商売としてつづくことになるだろう。それこそ小さい子にマジでウケてると言う事実を考えると四半世紀後、次の元号あたりでリメイクされることも高確率で考えられる。とんでもないヒットだ。

 

でもなんでここまで?

 

ってのは序盤から読んでた読者ほど感じてると思う。面白かった。マンガとしては間違いなく逸材だ。でもこの作者の本当のヒットはこの次だろう、ぐらいの感じだったと思うんだよね。鬼滅の作品としてのムラと言うか、出てきた要素をあんまり拾いきれてない感じは、完成度としたら傑作ではない感じ? 若書き? 勢いで押し切ってるとこかなりあるよね。って具合。

 

その代表格が善逸だと思う。

 

連載としてハネてくるのは善逸登場ぐらいからだと思うんですよね。炭治郎だけだとキャラが物足りなくなってきた辺りの追加キャラとして、ネタになり、盛り上がりがあり、見所もある。常識的ツッコミとセクハラ的にはギリギリのラインでの女好きというバランスの良さ。人気が出るのは頷ける。

 

ただ、一番人気は割と謎。

 

主人公のライバルでもないし、共闘展開も限られてるし、最終決戦の活躍は少ない。割と個人的に因縁に決着をつけてて、どうやらラストで語り部だったらしいことがわかる感じなんだけど、本筋への関わり方でいうとそこまてメイン感がなかったりする。これは鬼滅のムラそのもので、伊之助、禰豆子もコミであんまり終盤の活躍がない。実力的にはリアルなんだけど、そこを曲げてメインキャラは活躍させるのが少年マンガじゃない? ってあたりを悉くハズしてるのか作品の特徴とすら言える。

 

読者のウラをかかない。

 

鬼滅のヒットは様々な偶然の要素の集合だけれど、作品そのものが多くの人に刺さった要素はここじゃないかと思う。ラスボスは最初に登場した相手から変えない。実力の高い人間ほど生き残る。主人公は特別だけどそれが勝因ではなく、長年の因縁の積み重ね。読んでいればひねりがないとすら感じる要素を堂々とやっていく。これでウケれば爆裂ヒット、って方程式にするにはあまりにも陳腐かもしれないことが、最大公約数として機能してるような気がする。