ONE PIECE 100巻パーリーがカイドウ討伐記念となる気はまだしない96巻

f:id:kitsunejimahondo:20200406170346j:image

表紙の若黒ひげの爪とか未だ使われてない武器、気になる。

 

おでん回想編がほぼ全て、と言うか本誌的には前々回ぐらいまで載ってるんで100巻は来年の今頃か? 昨今のパンデミックな世情的にも果たして作者読者共に無事で読めるか、みたいな切迫感もなくはない。正直なところ、先々と言うものをなんとかなるだろ、と楽観する段階は過ぎてしまったことは感じる。

 

笑ってラフテルの真相を見たいよなぁ。

 

超長期連載の弱点は時代のうねりだった。ONE PIECEらしいっちゃらしい結末だが、そんなもんは受け入れ難いのでなんとか生き延びねばならん、と日増しに状況が悪化してる東京の様子を報道で眺めながら危機感を持たない人には届かんよなと言うことも感じる。

 

自由の限界。海賊王の敗北。

 

自由を無責任と履き違えた説明だけど、自由を賛美し過ぎた文化の敗北って感じはあるし、そこにONE PIECEが無関係と言うのは世界一売れてるマンガとしてどうだろうって話にはなる。こう言う場合、ルフィは我慢できる方の人間だってことは読者はわかってるが、自由の果てが得てしてなにかの奴隷になってるパターンはワノ国編のひとつの筋書きだったりする気もするので無関係とも言えないよな。アニメで言うと疫災弾とか放送無理な気がしてる。それ以前に特撮の方で出たけど、東映アニメーションも業務続行できんのかって感じだろうしなぁ。

 

とは言え単行本はいつも通りに明るい。

 

サービス精神の塊である。

 

ゾロの素性にまで触れるのはいつもより過剰な気がする。ソウルソリッドのババアはどっから出てきたんだ? あれ比較的に新しい剣じゃないの? 若い娘を持ってるブルックはそりゃ嫌だけれども!

 

ヂェーンに触れるのは読者年齢層の高まりを感じる。

 

おでんの辿った末路に関してはまぁオロチとカイドウの実力を見極められなかったこと以上に、ろくでなしのバカ殿だったのにワノ国の住人すべてを守ろうとする奇妙な人の良さ、好感の持てるキャラクターギリギリの傾奇っぷりに由来するエンタメとリアリティのギリギリを攻めるいつものONE PIECEのラインなんでなんとも。

 

残酷だ。

 

ロジャーがまだできてもいない息子に期待してたひとコマとか、おでんがまた会えると記しているところとか、破滅の結末に向かう流れはどうしようもなく辛い。バカ殿が踊り続ける異常を眺めながら変わらないワノ国というのに風刺の意味を読むのは深読みが過ぎると思いつつも残酷さに堪える。

 

現実には20年後の大逆転あるかどうか。

 

1年後の未来さえわりと簡単に信じられなくなる現実を前にどこまでこの物語が力を持ちうるのか、緻密に組み立てられた集大成の大決戦を楽しみながら、読者のひとりとしてなんとか生き残りたいと強く思う今日この頃だ。巻末で宣伝してるけど、実写ドラマは正直なところやれんのかね? 日本以上にアメリカもヤバいしさ?