“うそつきノーランド”を読み返しました。
夢見る男ねぇ…
少なくとも見栄っ張りではある様だな
モンブラン・クリケットに会いに来たら半分の家にベニヤで作った見かけ豪華なお城。語った夢はジャヤに眠る莫大な黄金。スーパー胡散臭い。とは言え麦わらの一味も海賊、無人の家にいきなり上がり込みそこらのものを物色、そして一冊の絵本を見つける。
『うそつきノーランド』!?
へー 懐かしいな
ガキの頃 よく読んだよ
北の海発行の絵本を読んでたサンジ。ここではじめて仲間に出身地を明かした形。ただ、この時点でジェルマの暗い過去がどこまで固まってたのかはわからない。あの環境で絵本なんて情操教育的なものを与えられたか? ってのは割と悩みどころだ。あのお母さんなら読み聞かせぐらいはしただろうけど、内容的にチョイスが悪くない? って問題も。
こいつは“北”では有名な話なんだ
童話とは言っても
このノーランドって奴は昔
実在したって話を聞いた事がある
同じく北出身のベラミーも同様の認識なので相当にポピュラーな絵本であり、親が子供に読み聞かせる様に推奨してるぐらいのものらしい。表向きは教訓話っぽいのでわかると言えばわかるが。
ある国の冒険家ノーランドはウソのような大冒険話をするのだけど、王様に山のような黄金の話をして偉大なる海に出て、たどり着いたらなにもないジャングルで黄金は海に沈んだとかあきれる言い訳をして最後までうそつきとして死刑になった。
初読の時点では雑な童話って印象なんだけど、落ち着いて考えたらいくら稀代のウソつきだって王様まきこんで死刑になるような大ウソ吐かんだろ、みたいな奇妙さもあり、そして実在の人物であると言う話まで広まってることから言って政治的に普及させられた感がある。
モンブラン家は国を追われ迫害された。
と言う話は次回なんだが、今週のONE PIECEでカン十郎の正体が明かされたこともあってなんて言うかね。話の古さ的には大海賊時代とは関係もなく、世界政府も絡んじゃいないだろう案件だけど割とどこの国も悪意の強い伝統を持ってて、だれかが追いやられてる。違うものは弾かれる、ってのは作品のテーマなんだろうね。サンジ然り、ベラミーたちも教訓とは受け止めてなくて夢追いの海賊を弾く。繰り返し描かれるモチーフとしてしっかり固まってる。
だからクリケットはいきなり攻撃に出る。
人の家で勝手におくつろぎとはいい度胸
ここらの海は おれのナワバリだ
狙いは“金”だな
死ぬがいい
言ってることは正論だし、まぁ海賊同士である以上はいきなり戦うのも変じゃない。ルフィを海に引きずり込み、その上でサンジに対して体術で挑む男。回避と受けを見る限り、情報を求めて来た関係上即座に応戦するような危機ではない実力差はあるんだろうけど、それをすぐ理解して銃を持ち出すぐらいには胆力がある。
バカが
ナメてかかるからだ…
ゾロがサンジの応援に出ようとするぐらいには強そうでもある。何気に銃が連射式なんで当たるとそこそこ重症は避けられないからか? 潜水病で倒れてなければかなり取り返しがつかない対立だった感が。
もともとの海賊団の船長だった頃はもっと強かったんだろうし、ノーランドの超人活躍を含む回想を踏まえるとモンブラン家はなかなか肉体的には恵まれた一族だった感がある。10年前にジャヤ到達だから、大海賊時代の初期には海賊としてとっくに旗揚げしてたんだろうし、外見年齢的にはシャンクスより上っぽいから後から相当の猛者とされてもおかしくはない。