ONE PIECE 第225話

“人の夢”を読み返しました。

 

ルフィとゾロ、ボッコボコ。

 

ケンカを買うなと言われてその真意をすぐに理解したのかどうなのか、ゾロも含めて袋叩き。虫ケラだのとベラミーに言いたい放題言わせて、興醒めで目障りだとメタクソである。

 

お生憎…!!

あんた達みたいな小物チームには

私は勿体ないわ!!!

 

ナミはその様子にイライラしてきっちり啖呵切ってる訳ですが、まぁあれだ。少年マンガじゃなかったら誘拐される感じになる流れだ。ベラミーのキャラ的にそう言う意味での外道行為は含まれないんだろう。女性メンバーの多い海賊団だし、その目の前なんでカッコつけてる部分もあるかもしれない。2年前ナミはスタイルこそすっかり成長してるが、設定的には小娘なんで、作中あまりそう言う視点で見られてはいない感じもある。

 

“空島”はあるぜ…

 

ナミが目に涙を溜めて2人を引きずり店を出たところに声をかける黒ひげ。しっかり一部始終を聞いてたらしい。ルフィの覇気を既に感じ取っていて3000万より高く評価してた、とわかるのは空島行きの直前だが、その視点で見ると成り上がるための首を品定めしてる訳で、まぁ穏当な気配じゃないんだろう。

 

ルフィとゾロは無言。

 

黒ひげがベラミーとの『戦い』は2人の勝ちであると告げ、新時代ってのはクソだとまで肯定してるんだけど、表情は硬いままだ。同調するのも安っぽいがノーリアクションってのも違和感がある。ナミは怯えていないが、黒ひげは語りながらも敵意をしっかり飛ばしてるんじゃないか、と言う感じ。

 

人の夢は!!!

終わらねェ!!!!

 

真っ白な画面にキャラが小さい、極めて珍しい見開き。ONE PIECEじゃなきゃ割と手抜きなのでは? と思ってしまうぐらいに黒ひげの顔もそれを見るルフィの顔も小さく、表情からセリフの意図を汲み取ることを拒否してる。ゾロに至っては黒ひげを見てすらいないっぽい。

 

人を凌ぐってのも楽じゃねェ!!!

笑われていこうじゃねェか

高みを目指せば

出す拳の見つからねェケンカもあるもんだ!!!!

 

ルフィの資質を見抜いていることはいいんだが、まるで同じ夢を見る者のように語りかける黒ひげに対する違和感は未だに強い。なんなんだろう。まるでルフィの正体を知ってる、と言う具合である。これに対してはルフィが反応してないのか唐突すぎて反応できないのかわからない。そして出す拳の見つからないケンカもこれっきりだ。

 

ねえ…!!

あいつ“空島”について何か知ってたのかも……

………何者かしら

 

さァ…

それに…

あいつじゃねェ…

 

?

あいつじゃない?

じゃ…なに?

 

あいつらだ……

たぶんな

 

ONE PIECEで布石として明確に置かれながらまったく拾われない読者を困惑させつづけてるセリフの登場である。あいつら、と表現したのはちなみにゾロ。ルフィはあいつじゃねェと言ってから血を拭ってる。

 

これについては色々と言われている。

 

それを知った上でフィクションのフェアネスとして、24巻までにこの布石のヒントがあるとするなら、銃に悪魔の実を食わせて動いたっていうくだりぐらいなので、個人的な意見としては黒ひげはこの時点でヤミヤミともうひとつ以上の能力を持っていて、複数の悪魔をその身に宿しているからあいつらなのだ、と言う説を唱えておく。

 

ヤミヤミが第1候補だったにしても、白ひげの船にいればそこそこめぼしい悪魔の実に出会う機会はあったんだと思うんだよね。それを確保しないって選択はなかったはず。殺してまで奪い取ってはなかったにしろ、シャンクスに傷をつける実力は隠そうにも隠しきれないだろうし。

 

物語は巨大な謎を残し、しかし先に進む。