“怒号”を読み返しました。
反乱軍の正面に立つビビ。
ここで登場するのがこのユートピア作戦のMVPである『も…!!! もも 申し訳ございません!!! 手が滑って… つい… うっかり………へへ』の男である! 名前はたぶんない。先頭を走るコーザはほぼビビに気づけたところに砲撃を打ち込んで国王軍から口火を切る最悪の形で戦端を開いた!
もちろんビビの存在には気づいてなかったはず。
No.エージェントが完全に裏をかかれていてほぼ作戦失敗ぐらいの勢いなんだけど、クロコダイルは結局のところ我の強い部下を信じてなかったんでしっかり国王軍に内通する人間を用意していて、この男はきちんとこの大事に砲撃手の役割まで信頼を得て潜り込み、ここぞの場面で最悪の一発を放つことに成功した。それが偶然にもビビの説得チャンスも潰した。大活躍である。作戦そのものが失敗に終わっていなければ彼は新生アラバスタで要職を担っていたかもしれない。
この後で彼がどうなったかは記憶にない。
描かれてるだろうか? と言うのが地味にこの読み返しで気になりだしたポイントではある。きっちり捕縛されて処罰を受けてるならまぁいいが、果たしてどうだったか。歴史書的にはこのうっかりの一発は確実に残るタイプのやつだと思う。バロックワークスの刺青を堂々と腕に入れての所業、モブにしては肝が据わっている。
ビビは反乱軍に轢き潰され、庇ったカルーが重傷。
船でちゃんと学んだのよ!!!
諦めの悪さなら!!!
王女が鼻水を垂らしながら涙を堪え、唇を噛み締める画は健気だな、と当時は思ったけど今見るとこう言う顔を描きたかったんだろ尾田栄一郎って思うところもある。女性キャラの苦渋の表情が多すぎる少年マンガだと思う。そして年々その度合いは増してる。完全に性的嗜好の類だ。いい趣味してる。
たたみかける偽ウソップ。
2秒でボンちゃんに負けたことでゴーグルを奪われマネマネの変装をかまされる。まぁ馬に乗って現れたり、カルーをトリ呼ばわりしたり、胡散臭さが前に出すぎて、仲間の印の二段構えを知ってる知らない以前にそこそこ一緒に旅をした人物に化けたのが失敗ってパターンだよな。反乱軍の一員にでも扮してコーザのところへ案内するとか騙した方が引っかかる可能性があったと思う。
肝心なところでポカした。
ボンちゃんの実力を考えればそもそも騙す必要すらなくビビ単独なら問答無用で攫うでも消すでも出来たのに茶目っ気を出したよなぁ。この辺の愛嬌は生かす前提って感じがするところである。マネマネがワノ国で重要な実になったことも含めて読者に能力を強く印象付けようと言う超長期能力布石として機能してるのが怖い。意図的なのか、偶然の産物なのか。