ONE PIECE 第183話

“カルー隊長”を読み返しました。

 

ボロボロのカルー、ビビを乗せオカマから逃げる!

 

アラバスタ最速の超カルガモに迫る“オカマデャーッシュ”のヤバさに対抗する物理法則無視の絶壁走り。能力関係なくここまで無茶を通すのはONE PIECEでも珍しいことだと思う。しかもちょっと飛ぶ。まぁギャグになるし“血と汗と涙のルルヴェ”なる不可能なきオカマケンポーの前にはそんなこと気にしてる場合でもない。

 

衝突する反乱軍と国王軍の戦場。

 

ギャグからビビとカルーの前に繰り広げられる光景は凄惨。立ち止まることも許されないのでコーザを探すことを諦めチャカを探して王宮へ戦場を突破というところでカルーは撃たれる。カルガモなのに人間みたいな歯を食いしばって走り抜け力尽きて倒れるまでは数コマ。しかし、この男っぷりは唐突だった隊長設定を納得させ、カルーの存在感を不動のものにしたと思う。

 

グエ!!!

 

魂こもったセリフなんだよね。いや、ほんと。カルーとビビの関係って実はよくわからないんだけど、二人の間では言葉なんかなくても通じ合ってるのがわかるし、言葉を超えてコミュニケーションを重ねてきた日々があったんだろうと思わせる。王女が犯罪組織に飛び込んで、まぁ気のいいヤツっぽかったけどアクロバット男とクジラ狩りやらされたりの中で辛くなかった訳がないし、その話し相手はカルーぐらいしかいなかったはず。怖がりのカルガモだが、ビビの覚悟を一番わかってるからこそこの土壇場で踏ん張れた。

 

おれの名はサンジ

海の一流料理人だ

 

ここでMr.プリンスを捨てる格好良さは珠玉でしょうか? カルーの踏ん張りを評価し、ビビを反乱阻止に向かわせた上でもう一歩も退かない決意表明。一流のコック対一流のオカマ。アホみたいな構図を忘れさせる勢いがある。

 

で、ウソップとチョッパーへ。

 

ここ、冷静に考えると盛り上がりを凄く寸断する場面転換なんだけど、サンジを引っ張った上でこのチームの戦闘をやるのは理にかなっていて勢いを作りつつ飲まれないのはスゲェってなるところ。そしてこっちはこっちで名勝負になり20巻ラストまで飽きさせないからまた。

 

ミス・MCは“モグモグの実”のモグラ人間

もう一人のMr.4は“4番バッター”で

犬と一緒なんだ!!

 

チョッパーのこのセリフはウソップに理解されない反応を含めて先の展開が気になる度合いを強めるとんでもない引き。サンジの引きとチョッパーの引き。ダブルで展開に自信がないとこういう風にはやれないよなぁ。週刊連載でこの密度は奇跡だと思う。アラバスタ編の出来が最高、って意見はまぁ理解できる。ライブ感が勢いにハマってんだよね。