ONE PIECE 第115話

“冒険のリトルガーデン”を読み返しました。

 

悩む気も失せるでしょ

こんな船じゃ

 

国家の存亡がかかる七武海との戦い、そしてイガラム爆破。常識的に言えばビビのメンタルは限界なのですが、ルフィ筆頭に麦わらの一味の日常にそういった深刻さは影を落とさない。ナミのセリフはシンプルに優しい。

 

少年マンガとしてのバランス。

 

シリアスさは適度に抑えないと読者も息が詰まってしまう。もちろん話が面白い限りはそれさえもスパイスなんだけど、それはフィクションをフィクションとして楽しめる大人だからで、浮き沈みのある子供の気分を考えると傾倒してしまうのは非常に危うい。シリアスもマンネリになり長引くと飽きられる、呪術廻戦、ちょいヤバいぞ最近。

 

この辺のバランス感覚がONE PIECEを支えてる。

 

基本的には気楽に楽しい海洋冒険ロマンなのだ。という間口を維持することを尾田栄一郎本人がどこまで意図したのか感性なのかはわからないんだが、ルフィのコンセプトがバトル中でもふざけられるだったことを考えると確信はしてたんだと思う。愉快な主人公じゃなきゃ売れない、と。

 

愉快の基準は時代によって変わる。

 

だが、まぁジャンプは可愛げのある主人公じゃないと受け入れられない土壌だと思う。読者の気持ちに素直、と言い換えても良い。ビビの国? この時点じゃ入れ込む理由ないし、とりあえずよくわからんから普段通りだ。

 

そんな訳でリトルガーデン。

 

冒険のにおいがするっ!!!

 

ルフィが未知の島に到着するとお約束になる制御不能の行動。空飛ぶトカゲ、密林の王者である虎が血まみれで倒れる。わりと少年読者でもこれは恐竜だなってわかる引きなだけに、わかりやすい動機。まぁ、実際に見られるなら見たいよね。死ぬかもだけど。

 

海賊弁当登場。

 

パワー補給のみを目的とした野菜抜き弁当、と言うONE PIECEでは珍しいコマ外の注釈がついてるけど、なんでなんだろうね。尾田栄一郎なら絵一枚描けば伝えられそうなのに。メニュー固定だと毎回同じの描くのが面倒だからか?

 

ビビも冒険に同行。カルーも。

 

じっとしてるといろいろ考えちゃうから気晴らし、と言うのが理由だけど。ここでルフィについていくのはこの男の側が一番安全だと踏んだからだろうか? メマーイダンス服じゃなくなって、一気にヒロイン感でてきてる。ナミも可愛いんだけど、ビビは美人として描かれてるなぁ。唇の艶を表現してるところが特に。

 

ゾロとサンジは狩り対決。

 

そしてウソップとナミの常識人コンビがお留守番。一味がバラける構図の基本ですね。好き勝手キャラが動く。東の海では冒険らしい冒険はしてなかっただねに、やっとここから好き勝手な島が描けるという作者のノビノビとした勢いを感じます。

 

巨人島。

 

探検家ルイ・アーノートなる人物が名付けたリトルガーデン。初期はだれかの冒険の後を追ってるっていう引用めいたナレーション多かったけど、最近は見ないな。先人が到達してない域に達しつつある、ってもロジャーの足跡はそろそろ具体的になってくるのかな。