ONE PIECE 第96話

“東一番の悪”を読み返しました。

 

幕間の世界情勢編。

 

ONE PIECEはここが面白い、と言われるポイントだったりするのはルフィたちの行動がダイレクトに世界を動かしてる様子を情報的に凝縮して見せることを徹底してるからだと思う。

 

時代のうねり。

 

海賊の冒険が世界を動かすってのも奇妙と言えば奇妙なんだけど、東の海で懸賞金一千万越えの大物海賊団であるバギーとクリークとアーロンを立て続けに粉砕したから悪の芽なのだ、と海軍が動くのは大海賊時代って感じでわかりやすい。

 

絶対的正義、とは。

 

その海軍が掲げる主義らしいんだが、実際のところこれを具体的に体現してる人があんまりいない。赤犬なのかな? 三大将の時点でバラけてるし、スモーカーはくそくらえだし、それっぽいTボーン大佐とかは海軍内で浮いてる扱いだしなぁ。この話の海軍本部の描写はわりと雰囲気だけって感じがする。名前出てるブランニュー少佐も別にその後の活躍があるでもなく。

 

ローグタウンにすぐ突入、たしぎ登場。

 

海賊王が生まれて死んだ町と紹介されて最初に登場したキャラであり、くいなの生き写しとまぁ重要そうな扱いなんだけど。その後の活躍はご承知の通り。人気がないわけではないと思うんだが、持て余されてる。彼女の役割がこの時点でこうなる予定だったってことはないと思う。恋愛を描かないって方針があるからゾロのヒロインってんでもないんだろうけど、それにしたって展開が乏しい。ワクワクする登場なんだけどねぇ。

 

そしてミホークとシャンクス。

 

世界一の大剣豪と勝負の決着がついてない四皇。シャンクスの強さ情報は以上です! 白ひげと天を割ったぐらいはあるけど、基本20年ぐらいここから変わってないのは計画的だとしたらとんでもない引っ張り方なんだけど、これでショボかったら漫画史に残るガッカリキャラになりかねないので尾田栄一郎的にも相当の自信があるネタだと思いたい。

 

なにも考えてなかった可能性も?

 

直前のたしぎがなんとなく失敗キャラになりつつあることを考えるとなくはないんだよね。それこそエースじゃないけど、シャンクスはなんらかの理由で死ぬことが決まっててプロット上で戦闘シーンすら描かず謎のまま終わらせる予定だったかもしれない。これが5年ぐらいの連載ならそう言う謎を残す演出もアリではあるしね。しかし引っ張られて20年。もうそれは許されないだろうと思う。

 

夢か運命か。

 

フーシャ村はルフィの活躍をなんか喜んでる。大海賊時代の感覚なのか、それよりは上の世代である村長が凄い思わせぶりなんかことを言ってて、未だに謎。ガープは海軍で、ドラゴンは革命家で、ルフィが海賊になることのなにが運命なのか。

 

エースの出自と義兄弟関係を知ってた?

 

ありえなくはないよね。たぶんこの村長はガープと世代が近いだろうし、東の海出身であるロジャーとも面識があったかもしれない。シャンクスが元部下なのも知ってて、それで村に一年も居させてた訳だから。深い事情まで詳しく知りうる立場ではある。

 

海賊王の息子の義兄弟だから海賊になる運命?

 

しかしセリフの意味としてはちょっとしっくりこない部分はある。四皇シャンクスにしろ、エースにしろ影響を受けたことを運命とはあんまり言わんよな。夢の方がむしろぴったりだ。この思わせぶりなフリも20年引っ張られている。

 

ちゃんと回収して欲しい。

 

この当時になにも考えておらず、ゆでたまご方式で未来の自分がなんとかすると思ってたとしても、ちゃんと考えてくれ。この話のワクワク感が思わせぶりで終わるのはかなり嫌だ。たしぎについては諦められるけど、ルフィの運命は諦められないよ!