ピーターのお腹を隠すパッケージのポーズ。
映画館不毛の田舎暮らしで、やっと評判の映画が見られる喜びと不安。めちゃくちゃ褒められてたけど期待のハードル上げすぎて微妙に感じたらどうしよう？ そんな気分はすぐに吹っ飛んだ。
なんてゴージャスなアニメーションだよ！
しかもそれがまったく息切れせずにラストまでつづいてる。これ映画館で観ても一周じゃ凄すぎて把握し切れないヤツだ。と、一時停止を多用したくなるアレなんですが、それでも止めることすら出来ずに一気に見ちゃうぐらい話も面白いと言うパーフェクトな完成度。
いや、マジかよ。
正直ね。マイルス・モラレスなんてポリコレに配慮した新スパイダーマンとか要らんと思ってたクチなんですよ。黒人ヒーローは新規に作ればいいじゃん。ピーター殺すなよ、ってなもんでね。
しかし納得させられた。
それぞれの世界、バースでたった一人のスパイダーマンを自称するスパイダーマンたちがこのマイルスの前に現れるわけだけど、別にこの未熟な少年の導き手とかではないんだよね。それぞれがヒーローで、新入りに対しても甘やかしはない。むしろ最後の最後まで期待すらしてない。
そのバースを背負って立つヒーローになれるかの物語。
映画としては繰り返されてるピーター・パーカーの物語は踏襲してるんだけど、本来のハッピーエンドっぽい完成されたピーターは死に、やってきた中年太りのピーター・B・パーカーはまったく幸せになってなくてメタいことを喋り捲る。もう正直見てらんないダメさ。
でも、ちゃんとスーパー・ヒーロー。
どう転んでもヒーローはヒーローなんだと言うところをさらっと見せつけてギリギリまでホントに後悔を払拭できない人間臭さを出しつつもやっぱりカッコいいと言う作りをひたすらにアニメーションの動きで見せつけてくる半端ない映像の情報量。ある種、もう見飽きてるんじゃないかって言うスイングをここまで楽しく映像にするのは凄いことだ。
グウェン可愛い。
マイルスがポリコレ意識かって思ってたけど、この美少女スパイダーマンを配置してるんでむしろそうじゃなかった的なところは感じる。日本のアニメファンはペニーの方をスゲェ話題にしてたけど、いやいや、グウェンのモデリング秀逸すぎるって。ヒロインって言うより姉みたいな感じだけど、目を惹くことこの上ねぇ。この子主役の映画やってくれ。もっと見たい。
ともかく最高でした。未見の人は見るべき。
それこそマーベル映画も食傷気味みたいな意見はわかるけど、これは別腹ってことになる。間違いなく。さらにスパイダー・ハムのオマケカートゥーンアニメの日本語訳はトンカチなのはそう言うことかとむしろ日本語由来感すら漂う頑張りっぷり。ミゲルってスパイダーマンはなんなのかよくわからん出オチだが。
可哀想なのは死んだピーターか。
エンドロールで流される歌はなんつーか続編でどうにか救済してやってくれって感じはあります。ラストになんだかんだで生きてるぐらいのオチがあると思って見てたよ。これに関しては。まぁ主役がマイルスである以上、いつも死ぬおじさんの役回りが回ってくるのは因果なんだろうけど。
