ONE PIECE 第88話

“死んで!!!”を読み返しました。

 

ウソップ勝利、ナミ立ち上がる。

 

さっさとくたばれ

たいした価値はねェんだぜ?

てめェらの命なんざァ…

 

形勢逆転ムードはアーロンによる少量の水で人間を殺せる強さに一気にひっくり返される。まるで散弾銃のような威力とサンジは表現してるけど食らったことあんのか? いや、ジェルマで食らってたのか? ありえない、とも言えない。

 

サメのパワー。

 

水かけ遊びレベルで強い、ってのは魚人空手の腕前とは関係なくサメ由来っぽいところ。種族主義で才能で圧倒するスタイル。サメに産まれりゃ勝ち組にも関わらず空手も極めてるジンベエの格は本当に上がるな。

 

あんたを

殺しに……!!!

 

遅れて到着したナミはボロボロで倒れてるゾロとサンジを視界に入れつつも決別を宣言。そこで8年間の間に暗殺やら毒殺やら奇襲やらで何度も殺しを試みていることが明らかになる。描写はないけど、この後の永久に測量士でいてもらう発言と合わせてナミが味わってきた辛酸は嫌という程に感じさせる。

 

ONE PIECEって陰鬱な設定多いよね…。

 

くいなの事故にしたってリアルに言えば相当にいたましいんだけど、それが軽く見える程度に一味全員の過去が重い。一味に限らず重い。徹底した少年マンガというオブラートがなきゃとても売れないと思うぐらい。実際なんでここまで、と言うのも世界をひっくり返す動機になると考えてるからかなぁ、ぐらいしかわからん辺りも不思議なバランスである。さもなくば尾田栄一郎の趣味だ。度を越した悪趣味かもしれない。

 

ごめん みんな!!!

私と一緒に

死んで!!!

 

若い女を監禁とかしたくないから、村人の命も助けてやるし、おれの仲間だよな? と言うアーロンの暴力を背景にした圧倒的脅迫にナミは笑顔で答える。過去の呪縛から解き放たれた瞬間であり、ルフィたちの言葉を信じた結果でもある。このカタルシスからのルフィ復活を告げる水吐き。アホな絵面だが、熱い。

 

一気に立ち直る一味。

 

ウソップも戻ってきて、ゾロも状況を理解、サンジは海に飛び込み、チームワークが機能しはじめる気持ち良さ、こう読むと半話で終わるピンチ展開は短いけど、相当にテンポがいい。この辺りでは100話を意識しだして展開早めてるのかもだけど、いい方向に作用してる。

 

組み立て完璧過ぎない? この頃の話?