ONE PIECE 第41話

“海へ”を読み返しました。

 

カヤが船をくれてウソップがもう仲間だった回。そう説明すれば九割の既読者は内容が思い出せる。この粋な加入の流れがW7編での決闘に繋がる訳ですがそこまで構想されてたんだろうか?

 

ウソップの大荷物。

 

家のものは大体リュックに詰め込んだ旅立ち。ガマ口のポーチはずっと持ってたけどこっちの荷物はどう使われたのか。確認できるだけでトラの人形とクマの人形が入ってるんだが。あと時計の針的にこの家とはお別れだ、と言ってからドアぶっ壊し飛び出しまで一時間ほど経ってる。

 

性格でるね。

 

ゴーイング・メリー号が遂に登場。今回限りだけど、旗は羊のマークにGO!の文字。執事で羊という自分の押し出しが強すぎないっすかねメリーさん。本人の顔よりまぁ船首の方が記憶に残るキャラってのも変だが。この人のツノはモージと同じで髪なんだろうか。

 

今度この村に来るときはよ

ウソよりずっと

ウソみてェな冒険譚を聞かせてやるよ!!

 

カヤはウソップが村を出ていくことを察していたし、ウソップはもう村を帰る場所ではなく来る場所として語ってる。なかなか切ない別れの挨拶である。もしかしたらウソップが逆玉の輿を逃した瞬間かもしれないが。

 

カヤへの気持ちはどうだったのか。

 

メリー号についてカヤから貰った話を何度もしている、と言うのが後にこの時点ではいなかったサンジの口から語られるので恋愛感情はあったと思うんだけど、ここでメリーがウソップの母が亡くなるときの話をしてフラグを折ってるようにも見える。執事としたら恩人は間違いないけど海賊少年にお嬢様の気持ちが向いてるのはあんまりねぇ?

 

カヤの笑顔、乾杯、海賊が来たぞーっ!!

 

この回の締めはONE PIECEの中でもなかなかしっとりした感じです。医者になる夢が決まり、少年たちは去った男の思いを受け継ぐ。平穏な村の小さな時代のうねりだったとすれば作品の三大テーマをきっちり押さえたエピソードだったわけです。手堅い。

 

ここで打ち切られてもまとまってる。

 

その意味で本当の初期構想はここまでぐらいじゃないかな、と言うのが個人的な読み。もちろんサンジ以降が蛇足なんてことはまったくないんだけど、ここからまたちょっと毛色が変わってくる感じ。