“海賊団”を読み返しました。
ばかか お前ら
カッコ悪ィ 海賊団だな
クロの計画は自分の生存を知るものすべてを殺すものだった。ま、ちょっと考えたら気づくべき内容ではあるんだが、ジャンゴはじめ3年間しっかり真実を黙ってた純朴な悪党なんです。悪党なのにそこそこ真面目なんです。
だれか一人ぐらいクロを売るヤツがいるべき。
しょせん世間からはみ出した野犬のかき集め、とまで蔑む海賊の船長やってたクロってどう言う人間なんだ？ と言うあたりの奥行きは今だったら欲しくなるところですが、まぁサボまではいかない程度にいいとこの出で落ちぶれて海賊になったとかなんでしょう。ドフラミンゴほどではなくとも人間不信になる人生も歩んでると思う。
カッコ悪ィのは確かだ。
それこそウソップがオヤジに捨てられても誇りを持ち、ウソつきなりの筋の通し方でしっかりと部下たちの信頼を勝ち取り、カヤを逃がす任務をやらせジャンゴに金的食らわせて悶絶させたりする話との対比で言えば器の差でしかない。
しかし、クロも自覚あったと思う。
バカにしつつもその力である杓死を生かすのではなく村の平穏を欲する妙な立ち位置からすれば、すでに気のいい村の平穏に溶け込んでいるウソップみたいなのは一番いけ好かなかったんだろう。だからこそ計画を聞かれても泳がせ、絶望を与え、殺すことで気を晴らしたかった。カッコ悪ィ動機だが、わかる。
器のデカいヤツって目障りだよ実際。
マンガのキャラとしては好きだけど、ウソップとか友達になったら絶対劣等感を覚える自信あるもの。ルフィまでいくと尊敬するだろうけど、行動はスケールを感じないほど小さいのに器がデカいとか、ねぇ？ 陰キャと呼びたきゃ呼べばいいさ！ 現実的にはクロに共感できるほど計画性もないけどな！
そうだと思う。尾田栄一郎からして陽キャの筆頭である。むしろマンガ描いてるのが不思議なぐらい明るい。売れたマンガ家で金持ちを誇示していくのは戦略だけではできないことだ。本人の意志の強さがいる。失敗例は江川達也みたいになる。全盛期の漫画はかなり面白かったんだよあの人も。小林よしのりとかもか。将来そうなるかも、と言う意見はあると思うが、ONE PIECEはヒットのレベルが違いすぎるので政治的発言して小銭稼ぐ方向にはいかないんじゃないかとは思う。井上雄彦路線はわからんけど。
なんの話かと言うと。
ONE PIECEと言う作品のファンではありますが、作者に心酔はしてないというかルフィを筆頭にキャラに入れ込んでるわけでもなく、複雑な要素を織り込んだ大長編冒険ロマンに感じている魅力の正体を自分なりに見極めたいから読み返してるんですって話、かな。うん。
