フルーツバスケット新アニメは再アニメ化の中でも力は入ってそう

なんと言っても全編アニメ化である。

 

この看板は覚悟がいる。当時の人気マンガをしっかり人気アニメとした前作があることを考えると相当に。正直に言って勝算があるととても思えない企画だ。

 

なんでやるんだろう?

 

大地監督は未だに少女マンガのアニメ化においてトップランナーの一人で、こどちゃとフルバはそのシリアスとコメディが渾然一体となった作風のマスターピースだと思う。この路線は本当に後継者がいない。まず原作がない。少女マンガの流行がかなり変わったのが最大の理由だと思うが。

 

その意味では成功して欲しくはある。

 

とは言え、原作を知ってる人は前作のイメージを持って見るわけだし、原作を知らない人にこの新アニメがどこまで訴求するのかわからないことを考えると評判を作るのは前作視聴者になるだろうし、違いが気になってしまうあれやこれがあるわけだ。

 

まず堀江由衣とか。

 

当時、あの声は脳が溶けたんだ。なに言っても可愛かった。今もメインヒロインやったらたぶん溶けるとは思うと言う個人的嗜好はともかくとして、透のキャラを許せたのはあの声あってのものじゃねぇかな。と言う気はする。男連中のややこしい話とかは当時も別に許しちゃいなかったが、とか言うと作品のファンじゃねぇだろと言われるかもしれないが大体その通りで、透が許すなら許そう的なアレで見てた。

 

そう言う作品だった。

 

若かった。

 

良い思い出は思い出のままにしておくべきだともうわかる歳になってる。自分みたいな視聴者は見るべきじゃないともわかる。深夜アニメになってる。時代は令和になろうとしてる。なにもかもが違う。同じ話でも同じ感情は呼び起こされないだろう。

 

薄汚れた大人にしかなれなかった。

 

でも見るんだろう。録画予約をした。あの頃はVHSをまだ使っていたはずだ。我が家にDVDの録画がやってきたのは相当に遅かった。ハードディスクに録画するだけで見ない作品も増えた今とは違う。容量どころか、物理的にテープを残すかどうかで悩んでた。

 

なにもかもが思い出と結びつく。

 

そう言う辛さは本編と似てると言ったら怒られるだろうが、このアニメの存在もそう言うものになるかもしれない。新しい良い思い出が欲しいと思う。そう言う祈りを求めて見る。このエントリのあとなにも語らなければ、そう言うことだと思って欲しい。