ONE PIECE 第25話

“ウソ800”を読み返しました。

 

ジャンゴ登場。お嬢様暗殺計画発覚。そしてこのサブタイトル。読み返すと感じるテンポの良さ。そこにヤソップの話までついてくるお得回。

 

クラハドールの暗躍1話も持たない。

 

序盤じゃ結構な人気キャラだったですよね。キャプテン・クロ。敵のイケメン? って意味じゃ初登場と言えるかもしれないし、知性派の海賊と言う意味じゃクロコダイル辺りまで行かないと次がいない。メガネを上げる奇妙な仕草含め、練り込まれたキャラ性があるのに、ジャンゴの登場で即バレ。

 

作者の方で特に思い入れがなさそう?

 

さっぱりしてる悪役なんですよね。裏とか過去とかなく性格的に海賊が嫌になって平穏を求めてる。海賊マンガ的に必要ないのかその後が語られないキャラでもあるんですよね。普通に海軍を欺いてるから死刑で語りようがないのかもしれないけど。

 

逆にジャンゴはすでに面白い。

 

マイケル風味のボケ催眠術師。性能的には相当に悪いことができそうだけど、大したことはできてないだろうと読者が察する程度にはアホでまぁつまり悪目立ちしすぎてる。これを部下にしてるクロも間抜けだろうと言うか間抜けしかいないから海賊が嫌になった説はかなり有力。バロックワークスなりドフラミンゴファミリーなりに入ってたらもうちょっと有能さを示せたかもな。東の海にいたのが運の尽きか。

 

ヤソップの話をしてたら計画を聞いちゃった。

 

ルフィの強運なのかウソップの強運なのか。物語は一気に転がるわけですが、このテンポの中で自然と赤髪の話は打ち切られてウソップが知ってるらしいシャンクスの大海賊ぶりについては語られず仕舞いになってる。ヤソップの回想もたったの6コマだからね。子煩悩のオヤジが家族を捨ててまで追うものってなんやねんという当然の疑問さえスルーされてる。なんともストロングスタイルの誤魔化し方だ。

 

海賊旗がおれを呼んでいたからだっ‼︎!

 

ヤソップはそう言ってるわけですが、理由になってんのかなぁ? 嫁さんの死に目に会わず、息子の成長さえ見る事もなく、謎の四皇シャンクスと行動するからにはなんらかの現実的理由は必要じゃない? ウソップの方は親父を尊敬してるから恨むとかそういうことはないだろうけど、ただロマンで海賊楽しんでただと、なんか薄情な印象は持たれるよね。自由は自由だろうけど、それは無責任ってやつだろと言う。

 

再会を引っ張られつづけている親子。

 

サブタイトルのウソ800は当然クロがクラハドールとして語った過去と感謝の気持ちのことなんだけど、ヤソップの真実が語られる日にそれが二重の意味になる可能性はあるよなと思う。楽しく海賊をやってる素振りで深刻な裏があった、と言うのがこのマンガ的にあり得るのかわからないけど、シャンクスについての語られなさはそういう推測を避けるための手段とも思えるよね。この最初期時点でラストが決まってたと言う作者の言葉を信じるなら。