ONE PIECE 第13話

“宝物”を読み返しました。

 

もう謝んなくていいよ

今さら何しようと

あの犬の宝は戻らねえんだから

 

海賊マンガにとって宝は外せない要素のひとつであり、それをどう定義するかは作品の方向性に関わる問題だっただろうな、とルフィのセリフを抜き出しました。

 

麦わら帽子が宝。

 

現時点でもワンピースの正体に関わる謎のひとつとして生きてるルフィの基本設定ですが、周りから見ればそれほど価値のあるものに見えないものを宝として扱うスタンスも一貫してるのがこのエピソードにおけるシュシュの店関連のやりとりですね。

 

ルフィを殺す気でぶっ飛ばしたことを考えるとリッチーはシュシュに手加減してると思う。チョン… が最初の一撃だし、目で語り合ってる雰囲気もある。あと、モージを噛ませてるのも意を汲んでるんじゃないかな、みたいな。

 

なんでリッチーはモージに従ってんだろう?

 

基本的にマヌケタイプとして似た者同士になるのはローグタウンでわかることだけど、モージって特にいいとこないんだよな。能力者だと知ってすぐに降参するのは別にルフィの実力を見抜いたとかではないし、腕力すらリッチーを片手で盾にしたカバジにも勝てなそう。

 

猛獣使いとしても他の動物いないし。

 

派手好きのバギーがライオンを喜ぶのはわからんでもないけど、幹部とすりゃあ相当な実力不足のまま七武海に収まってる辺り、運がいい奴なのは確かなのかもしれない。リッチーが従ってると言うより面倒見てる関係かもね。

 

ゴムゴムの槌がお披露目。

 

シンプルながら威力も高そうで個人的には結構好きだけど、JET化はしてないか? 覇気以降は地面に叩きつけるより殴った方が圧倒的に硬いからなぁ。攻防の速度が上がると投げがあんまり出なくなるのはアクションとして寂しいところだ。

 

モージを殴ったただのパンチ。

 

ルフィが格下相手にガチギレしてるシーンってかなりレアな気がする。もしかすると他にないかもしれない。宝を取り返しのつかない状態にした、って話がまず他に浮かばない。近いのはモックタウンでのベラミーに対してのパンチ。あれは宝を奪い返す一撃だったのも共通点かな。ガチギレ感はそんなになかったけど。

 

しかし結構いい話じゃんね。

 

取り返したボロボロのペットフードとか、ナミがルフィをちょっと見直すとか、連載初期のエピソードとしてやるべきことをやりつつちゃんと筋書きも整ってて作品の根幹を形作ってる。

 

非凡だわ。今さら過ぎるけど。