ネタバレありのゼノブレイド3話。

クリア後も世界を巡る。

 

ゲームとしての面白さに関しては100点満点の80点は硬いところ、というのが現時点での評価。ストーリーの引っ張る力は強いし、寄り道要素は多く、キズナグラムに登録される関係性がある登場人物の数とサブクエストのボリュームは他のRPGの追随を許さないと思う。ゼノブレイド2でも多いな、と感じてたけど、それをはるかに凌駕して大盛りなのは間違いない。

 

大盛りゲームを楽しみたいと思った人に大盛りゲームを提供してきてる。

 

これは正しい。

 

100点にならない理由はプレイを重ねるほど感じる不便さ。相談システムの面倒くささとスキップトラベルを使わないと移動がやっぱり面倒になってくる諸々。海マップの探索のやりにくさ(船の操作性と通った場所しかマップに記録されない狭さ、というか海が広すぎる問題)、エレベーターの類は本当に使い勝手が悪すぎる、クエストのマップ移動がはっきり言って行ったり来たりが多すぎるなど。

 

あとBGMがちょいちょい途切れがち?

 

他のゲームでは感じないのでうちのSwitchの問題じゃないと思うんだけど、バトル中とかマップ移動中とか、音が色々重なるところで途切れるんだよね。そこまで重ねなくてもいいのでは? って音が多いのも問題なんだけど(フィールド上での対決イベントみたいなのとかずっと煩かったり)バトル中に味方や敵の喋ってる音とかを普通に覆いかぶせちゃうシーンが多かったのが気になった。

ストーリーへの納得感は個人差がある。

 

個人的にはあまり納得してない。

 

これは1,2と比べて明らかに納得しにくいオチを選んだということだと思う。で、観念的に感じる。ノアという主人公が「世界を救えない」キャラとして作られたことによって、ストーリーの納得をメビウスとの問答の中に求めなきゃいけないのだけど、ノアという青年は外見に反して10年未満しか生きてなくて、その短い人生を繰り返しているということなので、なんか浅いのだ。

 

言葉が上滑りしている。

 

なんでそう思うかと言えばノアはダメ男だからだ。

 

精神的に弱いというほど繰り返されるのは楽な人生ではないんだけど、シュルクやレックスのようなRPG主人公らしい根本の前向きさは持っていないので「運が悪ければ(作中でこう言及される)」とことんまで落ちる。世界を救えないどころか自分も救えない男なのだ。

 

そこがラストまで根本的に克服できていない。

 

繰り返される人生を追体験してもうひとりのノアであるエヌの絶望を理解した風で喋る訳だけど、最後まで自分すら説得できてない感じが否めない。最終的にもうひとりのミオであるエムが消えたはずなのに出てきて一緒に散ってくれるという場面によって納得させたかのような雰囲気になってるけど、これはちょっと強引に感じた。

 

ぶっちゃけミオがよくない。

 

ノアのウロボロスのパートナーであり、繰り返される人生の中では恋人にもなり、子供も産んだヒロインなのだが、ノアのダメなところをちゃんと指摘した場面がない。ネーミングセンスの話ぐらいだ。いざとなったらパンチやキックも出る彼女だが、基本的には我慢強く、ただノアという男を見守っている。寄り添って見守って限界を迎えて消えるというのがストーリーなのでそれはいいんだが、この二人の関係はかなりいびつだ。

 

メビウスになった二人には永遠にも等しい話し合いの時間があったはず。

 

あったはずなのに、黙って付き添った挙句に限界だから消えるわ、ってなったのが本編なのに、根本的にエヌと性質が変わらないノアに対してエムの記憶を受け継いだミオがなにか言うこともないのだ。結局繰り返してる、ダメ男を許し過ぎている。成長が無いんじゃなくて反省がないのでは?

 

これが納得できない理由だ。

 

そこが追加ストーリーで触れられるつもりならばいいんだけど、エキスパンションパスを買わない人にとってはここでストーリーが終わることを考えると、やっぱりまとまりとしては納得できないなという印象を拭えない。他のキャラクターは概ね好感を抱けたと思うし、絶望的な世界を生きる人たちの営みも物語として楽しめたのに、肝心かなめの二人がこの有様で良いとは言えない。

 

ダメカップルが世界の命運を握っちゃ……。

頭を冷やして明日はセインツロウ……明日解禁なのか?

 

キャラメイク体験版は結局日本では出なかったみたいだが……。