ONE PIECE 第228話

“猿山連合軍最終園長モンブランクリケット”を読み返しました。

 

何だお前ら

今 このおっさんを看病してんだから

どっか行けよ

 

ルフィが看病してる! ナミがぶっ倒れた時は病人と言う概念を理解してないみたいだったのに! そしてこんな常識的なセリフ! 主人公としての成長を感じますね? そうかな? 単純に絵として面白いからなだけがする。洗面器持って歩いてるルフィって図が。

 

マシラとショウジョウは秒速理解。

 

潜水病でよく倒れてるんだろうね。まぁ悪意ある連中なら金塊奪ってさっさと逃げる訳で、人間なら理解できる。猿じゃない。しかしルフィとはものすごい打ち解ける。猿だから。モンキーと言う名前ほど猿感出してないのにこの猿属性はなんなんだろう。

 

ひし形のおっさんクリケット復活。

 

おっさんひし形かなぁ? ってのは割と長年の疑問。そもそもルフィがひし形と言う概念を理解してるかも疑問。ともあれ空島について尋ねれば答えてくれるぐらいに関係は良好になったのだ、と言う意味でのあだ名かな、とも思う。

 

ノーランドの子孫だと明かす。

 

モンブラン家は当時 国を追われ

肩身せまく暮らすも

人の罵倒は今もなお続く…

 

類いまれなる正直者だったとクリケットが語る絵本の真実と実際に語られるノーランドの回想には微妙な齟齬があり、子孫でさえ本当のところは伝わらないと言うシビアさはあるよね。

 

大昔の先祖がどんな正直者だろうが

どんな偉大な探検家だろうが

おれに関係あるか!!!!

そんなバカ野郎の血を引いてるってだけで

見ず知らずの他人から

罵声をあびる子供の気持ちがお前らにわかるか!!?

おれはそうやって育ってきたんだ!!!

 

結構いい年のおっさんであるクリケットだが、この辺りまったく怒りが消化しきれていない。勢いウソップに向かって銃までぶっ放していてそれを見たルフィが怒ってもいるんだが、後半のセリフを聞いた後はすぐ落ち着いてるのはエースを思い出したからかね? あとサンジが静かにタバコ吹かしてるのも思うところあるからだろうか。

 

結構、刺さるキャラの多い話だ。

 

ルフィ本人にしても海軍の英雄の孫だからね。その点で罵倒されるかどうかはともかく、周囲は海兵になるもんだと思ってただろうし、ガープ本人の期待を裏切って海賊やってる訳だし、なんも感じてない訳じゃないはず。

 

クリケットは決闘を選ぶ。

 

ジャヤにたどり着いたことで運命だったと逃げるのをやめ、仲間たちと別れ、人生を狂わせた男との決着をつけるべく黄金郷を探して白黒をつけようとしてる。マシラとショウジョウは絵本のファン。黄金は絶対にあると、勝手に手下になってる。

 

ああいう一途なバカには

正直

救われるんだ…

わかるか……?

 

ルフィはこの後で話の腰を折って空島へと話題を戻すんだけど、空島編のラストを考える限り、しっかり話は聞いてて伝えるべきことは理解してたし、そういう一途なバカさに絆されたからこそクリケットもルフィたちに力を貸してくれる。ロマン。アニメでは繰り返しナレーションされてきたけど、本編中でここまで純粋にロマンが物語のメインに座ってたのはジャヤ空島のここだけだと思う。エネルもその意味でロマンを追う男だった訳だし。割と掘り下げるとロマンの裏の陰鬱な現実に物語が傾くのがONE PIECEだからね。