アニメ二期に向けてコメディ重視調整が入ってる感じの3冊。
恋愛モードでは活躍の場がなかった藤原が帰ってきた！ って感じですが、帰ってきたら帰ってきたで居場所がなくなってる感が出てきて不憫な気持ちになるのは何故だろう。
いや、わかってる。
特定のグループ内でカップルが発生すると自動的に仲間ハズレ状態に陥るアレだ。藤原はキャラ的に生徒会室の外の交友は広いだろうし、TG部はもちろん、マンガ内で描かれない学校生活も充実してることを疑う理由がない存在なのだが、物語の本筋から疎外されることで擬似的にその状態に見え、それが仲間ハズレ状態を経験してきたタイプの人間にとって苦味になっている。
なんでかぐやは藤原に交際の事実を伝えないのか。
実家の様相であるとかを見るに数少ない友達であろうとも心を許すという状態になり得ず、気安く語れない。柏木さんぐらいの第三者的距離が必要、みたいな感覚はわかるんだけど、それでもどうにも藤原の不憫さに感情移入してしまってなんかコメディの後味が悪いんだよね。
白銀にしても散々世話になってきた相手に秘密かよとか。
カバー下まで藤原の酷い感じを出してきてるのはそのバランスを取るためかなとか思うんだが。結構これ作者の性格悪いんじゃないかな案件。まぁ本筋に関わらないからこその自由なキャラでありすぐにも爆発しそうなシリアス要素を抑えてを引っ張るには必要な処理ではあるんだけど、物語としてはかなり大きな歪みになってきてる気がする。
いっそ早坂と付き合って幸せになってくれ。
とか思うけど、別にこの近侍も逃避だけで同性愛嗜好なさそうなんだよなぁ。かぐやがアホになり直接のノロケ被害を受けて距離を取り出したのでこっちは出番自体が減ってる。語りたいの方に出張しても変な受難。同人版で幸せ方面へ動いてるのは逆に本編で幸せにならなそうなフラグに見えたりする。
かぐやの身近な人たちにストレスを与える構造がシリアス時に裏切りとなって返ってくるフリかもしれないぐらいにこの二人の扱いのキツさが気になる。そして裏切られてもなんか四宮捨てて白銀家で幸せに暮らすエンドでもかぐやは満足しそうみたいな意味で恋愛以外の人間的な結びつきが薄いというか。
面白いんだけどね！
ひとしきり笑った後になんか笑ったことに居心地の悪さを感じるみたいな、不穏さがある。狙い通りならアクロバティックで凄いことだ。語りたいで復習しながら、同人版でifを読んでも本編が強すぎるからこその3冊同時発売？ 2巻までは微妙だったけど、同人版ちょっと面白くなってきたなとか思ったりする。全体的にかぐやを一番動かしあぐねてる辺り、あとがきのスクランの天満ってのはリトマス試験紙だな。沢近とか八雲とかはベタだからね。なるほど、と思った。
