ONE PIECE 第138話

“頂上”を読み返しました。

 

『王を無視した人 惨殺』

 

ワポルってホントにムカつく顔の造形してんだけど、どっからこのビジュアルが飛び出してきたのか。と言う感じで、相手の得意フィールドである雪山に加えナミとサンジが死にかけなんで反撃もできないルフィがかなり追い込まれるところ。

 

ラパーンが助けてくれる。

 

チェスとクロマーリモをしっかりとのすパンチ力は下手な海賊モブを圧倒しそう。クンフージュゴンとかもそうだが、強い動物いっぱいいるので、マスコット化するチョッパーは猛獣使い辺りの追加ジョブを考えても良かったかもしれない。実質そうなってるみたいなところもちょっとあるし。

 

ルフィは凍えながらウォールクライミング

 

ナミを背負い、サンジを口に咥え、素手と素足で突起もロクにな誘うな垂直の壁を3時間。途中で爪から血は出てるし、落としかけたサンジを首伸ばして拾うし、少年マンガ的な文脈で言えばこの試練を乗り越えたら強くなれる修行の類。しかし、そもそもくじけてはいない。

 

がんばれよ!!

もうちょっとだからな…!!

死ぬんじゃねェぞ…!!!

 

心理ネームのほぼないルフィの吹き出しがほわんほわんの例の形になってる数少ないところ。自分の辛さではなく、声を出せずとも仲間を励ますことしかしない男です。強い。

 

そして頂上へ。

 

きれいな城だ………………

 

ルフィが思わずそう呟いて気が抜けてしまうような光景。よくもまぁこの険しい山の上にこんなデカい城を建てたもんだと言うファンタジックな見開き大ゴマ。雪の白い画面に浮き出すような城を描き込むでもなくシンプルに引き立てる構図の上手さを感じますね。このかなり複雑なデザインの城は結構設定が多そう。内部もしっかり描かれるし、別角度もあるし。ワポルの城にはもったいない。

 

ヒルルクの墓標に相応しいかはさておき。

 

ルフィが意識を失い、落ちるところをチョッパーが掴んで救う。ワポルはラパーンを壊滅させその頭を蹴っ飛ばす。この回はワポルの存在以外ギャグ要素がほぼないこともあってONE PIECE内でも格別に静かなエピソードだと思う。シックな映像美でもマンガ描けるぞ、みたいな若き野心も感じなくはない。

 

実際ONE PIECEを描き切った後なにを描くんだろう?

 

みたいなことは思う。もう描かない、ってことはおそらくないだろうみたいない妙な確信があると言うべきか。20年以上もやりたいことをやってまだ先がある時点で、少年マンガではできないようなネタもあるんだろうから。