ONE PIECE 第159話

“来いよ”を読み返しました。

 

たしぎ…これだけは覚えておけ…!!

“海賊”は…どこまでいこうと“海賊”なんだ!!

 

七武海が嫌いだと言いながらスモーカーが述べることは、この作品は海賊を美化してる訳ではない。と折に触れてスタンスを示してるののひとつだと思う。クロコダイルが頭のキレる海賊で、政府に従うようなタマじゃないとも言ってるのはスモーカー独自の評価なのかな?

 

それでも七武海にしとくメリットはあるのか?

 

エースも七武海には誘われてた訳で、海軍的に強さ以外の本人の資質をどう見て選抜してたのかはかなり謎のままだ。ミホークみたいに実質的に海軍が相手して捕まえてもあんまり割に合わなそうなのとか、ジンベエやくまみたいに取引ありきだったり、ドフラミンゴみたいに出自的に海軍と正面切ってコトを構えそうにはないやつ、あとはまぁ女帝みたいに縄張り固定で拡大意欲がないとかは交渉するメリットもあるが、モリアやクロコダイルは危険度そこそこあったよな。

 

エースが承諾してたら八武海だったんだろうか?

 

増えれば増えるほど合法で力を蓄えかねないって意味じゃ海軍的には脅威にもなりうるはずなんで、どんな制度的運用だったのか気になるけど、廃止まで話が進んで、もうその話は出なさそう。そもそも作者がノリで出した設定。どこまでいっても海賊、まぁ…そうでしたね! と、わかってたのになんの手も打ててなかった海軍の無力は決定的だった。

 

Mr.11殺されてるし。

 

捕らえたヤツを船のマストに縛っとくだけで見張りもつけず、あっさりと消されるってすごい失態だよねスモーカー。もうちょい使える部下を連れて来いよ問題? たしぎがうろうろし過ぎなんだよな。この時点の強さならビリオンズとかは相手にできるんだし船にいさせろよ、みたいな。

 

ビビの存在はすぐ見抜いたけど。

 

スモーカー自体はそこそこキレるのに組織力を生かせない一匹狼気質。大将になれるくらい強きゃ良かったんだろうが、キャラの性格に実力が追いつかない妙なリアル。あんまり活躍されるとルフィたちの出番がなくなると言う微妙なバランスの被害者だなぁ。

 

エースはメリー号に。

 

悪魔の実を食う前でもルフィが一回も勝てなかったと強さを認めるくだりは、普段あんまり感じないルフィの弟気質を見せるところ。仲間に丸投げしてIQが下がるみたいなこともよく言われてるけど、末っ子主人公としてみるとわりと自然なことだな。甘え上手? 人の上に立つタイプでもなさそうだが、支えたくなるタイプって感じだろうか。

 

白ひげ海賊団への勧誘。

 

言ってみただけだ、とか言ってるけどエースは割と本気だった気もする。ルフィの夢の先を知ってる数少ない登場人物だから、いずれ白ひげと戦うのも予想されるし、負けはしないにしても余命幾許の白ひげに余計な時間は使わせたくなかったんじゃないだろうか。

 

“海賊王”にならせてやりてェ

…ルフィ お前じゃなくてな…!!

 

この辺りとかね。弟の夢を場合によっては潰すって言ってる割には穏やかな表情だったりビブルカードを渡したり、時間をかけて説得する気はあったと思う。できの悪い弟を心配してる訳だし。自由にやらせといたらどっかで死ぬと思ってたはず。まさか自分が死ぬとは思ってなかったって皮肉でもある?

 

次に会う時は

海賊の高みだ

 

処刑台なんだけど、と思いながらこのセリフを書いてたとしたら尾田栄一郎は相当に性格が悪い。でもなぁ、思ってたと思うんだよな。割と確信を持ってフリとして言わせてる感がある。麦わらの一味がルフィと比べて常識人すぎて褒めるくだりとかも、火拳を披露して特に因縁のないビリオンズの船5隻を一撃で沈める派手さも、完全に落とすフリだよ。