学研の図鑑 超人

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カバーを外すとアトランティス!?

 

とんでもない本が出た感に勢いで予約して届いた訳ですが、これは実際とんでもない。ちゃんと図鑑であり、超人できっちり埋まってる。

 

こんなキャラいたっけ?

 

みたいなのもかなり多数。つーか二世は途中で脱落してるんでそれもあると思うんだけど、欲を言えば出典単行本情報を項目に入れて欲しかった。ファンブックと言うよりは図鑑パロディとして超人が実在する前提の内容だからあえてそうしなかったんだろうけど。

 

挿絵はハイクオリティ!

 

奥付のイラストレーターを調べたけど、ガチで図鑑の挿絵を描いてるような人も多数参加してる。結果として、昔しか登場してない超人ほどカッコよく仕上がってます。逆にティーパックマンは鍛えたバージョンです。

 

かなり最新の超人研究を参照!

 

キン肉マンソルジャーはアタルとして紹介されてます! はい。真ソルジャーは出番ないの確定です! いや、わからんけどね。少なくともこれの編集段階では項目を分ける意味はないと判断されてるのは確か。

 

プロレスラーに似た超人、怪獣の項目あり!

 

許可とってんだよね? 回収になったりしないよね? って心配になる初期のネタもちゃんと拾ってるのが凄い。キン肉マン黒歴史なんてない! プリプリマンもいるぞ! オモシロ起源説さえ収録してる! あ、ウルトラマンのあれはないよ。

 

完璧超人始祖は豪華ページ!

 

シルバーマンの迫力を是非見るべき。こんなんがアロガントしてくるとか怖すぎて泣く。アニメリメイクやらんのかね。オリジナルキャストを全員揃えるのはもう無理だけど、神谷明にシルバーマンやって欲しい。あとカメハメもやってもらって新キャストへの正式世代交代とかするべきだと思う。あと40年このマンガを廃れされないためにも。

 

はじめて読んだマンガだった。

 

場所は児童館だった。知る由もなかったけど、連載は終わってたからあったんだと思う。表紙もなくて読み込まれてボロボロで巻も抜けがあったりして、まともに読めた訳じゃないけど、夢中で読んだ。後にかなりマンガを読むようになってその記憶を頼りに単行本を揃えても面白かった。

 

理屈じゃない。熱量だ。

 

最初のヒットは運もあったと思う。ゆでたまごの他のマンガを考えるとキン肉マンはラッキーヒットだと思ってた時期もあった。でも現行シリーズも含めて失われないその熱量を運で片付けるのは無理がある。宿命的な作品だと思う。このマンガが生み出されることは歴史の必然だった。今はそう思ってる。

 

キテレツがドラえもんになれないようなものだ。

 

ある種の不完全さが作品に力を与えることは多い。キン肉マンは初期の今となっては昭和のギャグとしか言えない内容さえもスグルの物語としてキチンと受け止める包容力があった。それが友情パワーだ。少年マンガ少年マンガであるために絶対必要な条件を言葉にしたものだと感じる。

 

曖昧さも後付けもリアルな世界。

 

図鑑になって強く感じるのはキャラクターのなんでもありなごった煮っぷりだ。公募されたデザインから起こしたキャラが多いということが、作者の力を超えたリアリティを作品に付与したと思う。いろんな超人がいることがリアルなのである。いろんな人の思いが込められたキャラたちなのだから。

 

そこで繰り広げられる物語もリアリティを持つ。

 

アドリブ性を作品の構造に意図せず組み込んだ設計思想。コンビ漫画家が40年つづいている奇跡。こんな作品は本当に二度と出ないと思う。この図鑑はメモリアルだ。さらなる研究が進み、文化超人学博士と国立超人博物館館長によって謎多き超人の謎が解き明かされていくことに期待するしかない。

 

とりあえずアタルとスグルのタッグ楽しみです!