ONE PIECE 第166話

“ルフィvsビビ"を読み返しました。

 

人は死ぬぞ

 

割と小さいコマなのに強烈な印象を残すルフィらしからぬセリフが飛び出す回。当時読んでたときもここでかなり痺れたことを思い出します。まさか、って感じがあるんですよね。そのインパクトが強すぎて話全体の流れで見ると別にルフィが変節したとかではないことが忘れられがちになるぐらい。

 

Mr.3が秘密地下へ乱入。

 

姑息を信条とする男だけあって、なんだかんだしっかり裏を読みクロコダイルが姿をあらわす現場までたどり着く辺りデキる。ここで迂闊だったのはまぁバロックワークスの一員としての立場を捨てられなかったことだ。ユートピア計画の概要を把握したなら立ち回り次第で逆にクロコダイルをハメることさえできたもんなぁ。海軍に売り渡してもよし、アラバスタに取り入って立場を得るもよし、上手くプルトンの横取りを狙うもよし。変に忠誠心のある奴っていう根っこの性格の良さが出てしまった。

 

クロコダイルはクソレストランに騙された。

 

これが本当に超バカなんですよね。Mr.3がそんなジョークを飛ばすタイプのキャラならばともかくなんで報告だけ信じちゃったのか。気づいた冷や汗顔はガチの間抜け。そっから威厳を立て直そうとする様子はちょっと笑える。まぁね、ほぼ勝ちを決めた状態だから油断ぐらいはするよ。誤魔化すかのようにMr.3をマヌケ野郎と呼び、干からびさせワニのエサにするパフォーマンスが次の失策であると言うのを別にすれば。

 

 

いざって時に使えねェ奴ほど

くだらねェもんはねェ…!!

 

自虐かな? ドルドルの能力を把握してたらそれじゃあ殺せないってことはわかってないといけなかったよね。まぁビビとコーザの関係もしっかり把握した上で、反乱のうねりはもう止まらないって分析は妥当だし、迷いも与えるつもりはない抹殺指令は間違ってないんだけど。

 

しかしルフィの動きはその裏をかいた。

 

ビビの先導で反乱を止めるための移動をつづけていたのがここまでの話なんだけど、それをつまんねェの一言で斬って捨てる。反乱を止めてもクロコダイルは止まらないし、その現場に海賊である自分たちがいるのはむしろ邪魔。

 

コイツは考えもなしにたまに核心をつくよな

 

ルフィのくせにな

 

サンジとウソップが思わず船長をディスるぐらい、今更ながらしっかりとした見立て。海賊の行動ではなかった。そこからの人は死ぬぞ発言なのである。反乱を止めてもクロコダイルが止まらない限りビビは殺される。むしろ反乱を止めようと行動すればするほど目立って殺されるので命を賭けてる。王女が死ぬことで反乱を止められる可能性が上がるとすら考えてたと思う。その事実。

 

おれ達の命ぐらい一緒に賭けてみろ!!!

仲間だろうが!!!!

 

このルフィの説得のポイントはここでビビの行動を曲げたことでクロコダイルの読みを外したことであり、正体がバレていることで直接殴り込まれると言う予想外の方向へ引っ張ったところなのである。反乱がヤバい人は大量に死ぬ、となれば普通は反乱を止めることを考えるけど、海賊は自由なんでブッ飛ばしたいヤツのところに行く。反乱が止まるかどうかは関係ないと言える決断。優しすぎるビビにはできない決断をやってのけた訳です。

 

控え目に言って、最高だよね!