ONE PIECE 第152話

“満月”を読み返しました。

 

うるせェ!!!

いこう!!!!

 

セリフを引用した段階でなんの回かはわかるが、サブタイトルではおそらく覚えてないチョッパー勧誘エピソード。月に関してはエネルやミンク族などで重要な要素として上がってくるものなのでここに満月と言うサブタイトルを持ってきたことには意味があるかもしれない。

 

なんでもかんでも深読みすんな?

 

見開きのカラー絵に入れるサブタイトルが「うるせェ」だとちょっとアレだと思っただけかも知れない。ってのはわかる。でもこのうるせェはすごいいいセリフなんでサブタイトルにしなかった理由も気になるんだよね。

 

ワポルを倒した後の話。

 

ドルトンがチェスとクロマーリモを気にして、トナカイが倒したとルフィが答える。それで事情を察し土下座。この辺りの話の畳み方は説明のテンポが良いよね。それこそドルトンとルフィの間に信頼関係があるかって言ったらそこまでじゃないし、だからと言ってサンジはドクターストップ、ナミは病床、だれが説明できるもんでもない。

 

そしてしんみりする間も無くバケモノギャグ。

 

ドラムの住民たちが奇怪な生き物に反応するより早くウソップに言わせ、さらにルフィが仲間にするつもりなのにバケモノ呼ばわりする天丼。そして有無を言わせぬDr.くれはにケガ人治療へ移行させて流れを止めない。そこから武器庫の鍵をスってた話へ転がす流れ。

 

“武器庫”の鍵

必要なんでしょーう?

 

治療代をタダにする交渉と言う読者も割と忘れてそうな話を引っ張り出してからのツンデレババアなくれはとのやりとりはヒルルクの桜に繋がるし、本当に無駄がなくて感心する。こういうネームを毎週切ってるってのはやっぱり序盤の尾田栄一郎が冴えすぎてるところ。

 

余計な話が一個もない。

 

やりたいことが多いから削れるんだろうけど、どうしてジャンプ編集者はこの巧みさを学んで他のマンガ家に真似させないのかわからない。筋書きじゃなくて、話を転がす構成力ね。面白いところと面白いところを面白いところで繋ぐんだ! うん、言っててなに言ってんのかよくわかんねぇな! でもそれが出来てるのが初期ONE PIECEなのである。

 

チョッパーの揺れる感情。

 

誘われた段階で行きたくないわけじゃないと認めつつ、断る理由を語るチョッパー。麦わらの一味の中で海賊をやらなきゃいけない動機が一番ない少年。マスコットに割り振られるまでは成長枠として配置されてたと思われる彼は性格的にも控えめである。

 

誘ってくれて

ありがとう…

おれはここに残るけど

いつかまたさ…

気が向いたらここへ

 

人間の仲間でもなく、バケモノだから一緒には行けないと言いつつ、未練も感じる別れのセリフにくれはから事情を聞いてたナミの表情は曇るところに、うるせェである。

 

ルフィじゃなきゃこれは言えない。

 

まぁうるせェなのである。ヒルルクが言ってたようにチョッパーの悩みは広い世界から見ればちっぽけで、それを知るにはドラムから出るしかない。少々強引でも、だれかが連れ出さなきゃはじまらなかった。すべてを集約し、一言で解決へと導く名ゼリフ。実際、冒険に出てからチョッパーがバケモノであることで引け目を感じる場面はなかったしね。バケモノだらけだからねこの海。