ONE PIECE 第47話

海賊艦隊提督“首領・クリーク”を読み返しました。

 

いいぜ

おれを止めたきゃ

撃て

 

5000人が100人にまで減り、息があっても空腹と重症でくたばってる。クリークが親切に説明したんで海賊を潰すチャンスでしかないんですが、サンジはメシを用意しようとする。イカレた行動としか言いようがないし、まぁ息を吹き返したら自分が危険になるコックたちが銃を向けるのはまったく本気の動き。

 

食いてェ奴には食わせてやる!!

コックってのは

それでいいんじゃねェのか!!!

 

うーん、狂気。

 

あんまり言われない気もするけど、サンジのこのスタンスで事態が好転したことない気がする。ビッグマムにケーキを食わせたことがなんらかの布石となればあるいはってぐらい足引っ張り要素。

 

仕方ないのはわかるよ。

 

女を蹴らないとか、サンジはとかく意味のないポリシーを貫くキャラとして存在してるし、だからこそルフィに対してゾロみたいに好敵手でもウソップみたいにバカやるダチでもなく、対等でありなから忠実で部下っぽくない部下のポジションを確立できたと思ってる。

 

独特のキャラなんだよね。

 

組み合わせるキャラによってスタンスも変わる。ゾロに対しては対抗心があり、ウソップに対しては弟分の癖に兄貴風を吹かせるし、ナミに対してはアレだし、ルフィに対しては展開的には羨望さえあるのかもしれない。それでいて本心を出してなかった。ほぼ切れていたとは言えずっと仲間に対しても出自を隠していた訳で、ストレートなキャラが多いONE PIECEの中において奇妙なほど自分を出さない。

 

育ての親ゼフのポリシーと夢を受け継いだ男。

 

自分の夢でもあるんだけど、ちょっと趣は違う。ルフィと出会わなかったらたぶんゼフが死ぬまで本当に働いてたと確信させる頑なさがある。あるいは信念を貫くことの裏目を描くために配置されてるキャラなのかもしれない。一方ではルフィが表目を描くだろうことのバランスとして。

 

ステルス能力を得るのもさもありなん?

 

そこまで計算尽くだとは思わないけど、黒であり透明でもあるって捉えどころのなさはサンジらしいとは納得した。女風呂ギャグのためだとしても辻褄は合うんですよ。

 

パティが例によって常識的にクリークに反抗。

 

鉄のデザート食あたり砲弾のネーミングはかなり好き。デザートなのにミートボール。そりゃクソマズい。そしてクリークに全員一気に返り討ち。誰もおれに逆らうなとのたまう自信は実力に裏打ちされてると判明したところでゼフがメシを用意してました。

 

身内のコックがやられる前に出すなら出すと。

 

この辺のイカレっぷりはサンジの親って感じですね。クリークがサブタイトルでありながら、器の大きさで既にゼフが上回っていることを読者に印象付ける引きは上手い。上手すぎて非常識に見えなくなりかけてるのが問題なんだ。