どっかで監督の域に達するのかと思ってた

ジャングルはいつもハレのちグゥで名前を覚えた。

 

シンエイに京アニがよく参加してた頃のアニメだ。演出のひとりとしてちょっと異色だった気がする。原作がメタなネタを好むタイプだったので後の作品を考えると相性が良かったのか、周りのフォローが行き届いていたのか。どこかで見る機会があれば見て欲しい。これは面白い。

 

原作の面白さを考えても良アニメ化だった。

 

その後、ハルヒでブレイクした。

 

本放送初回の自主制作映画風演出は視聴者を引っ張るいいフックだった。憂鬱は間違いなくライトノベルの傑作に分類される作品だが、普通にアニメ化した場合にあそこまでのブームになったかは定かじゃない。アイデアがだれのものだったかはわからないが、そこの功績に名前を連ねたことは事実だ。

 

だから監督にされたと思う。

 

そして域になかった。

 

当時はそんなアホなと思った。人間性が問題視されるアニメ監督なんて腐るほどいるというのがもっぱらの噂であり、宮崎富野辺りをみれば概ね事実としか言えないだろうと外部からでも察せられる。犯罪行為もなくそんな晒し者は許されるのか? と憤慨さえした。

 

だが、その後の軌跡は下降線だった。

 

フラクタルはだれがどう見てもダメだった。宮崎駿はなろうとしてなれるもんじゃないってことがそこそこアニメ作ってわかってない。絶望的なセンスのなさだった。実の息子でさえ父親の路線では勝負しないと明らかに決めて出てきているのに。

 

結局、つくりたいものがない人だった。

 

若い頃の勢いで出したものを考えれば、演出に徹して表に出なきゃ普通にそこそこ人気だったんじゃないかと思わなくもないが、そんなルートはなかったんだろう。

 

監督の域。

 

このフレーズを考えた人は相当に慧眼だった。そしておそらく域に達して欲しいと願ってたんじゃないかと思う。そんな日が来ないまま終わってしまったことは別に悲しくもないかもしれないが。

 

ここまで評価を下げる人も珍しい。