ニカの件は「カイドウをどう倒すか悩んでる」という以前のインタビューから出てきた答えとしては違和感がある。いち読者としてルフィがルフィでなくなることを望んでいないからだ。ナイトメアルフィはギャグで済んだが、内面(モノローグ)を描写されない主人公として、読者ひとりひとりが自由にルフィ像を描いているワンピースというマンガにおいては大きすぎる変化は読者の受け止める限界を超える可能性が高い。
正直、思ったより困惑してる。
ただ、自由の答えが「ルフィ自身からの解放」というのはありうる。
自由を志向する主人公であるルフィは不自由を感じているはずだからだ。マンガを読む限りはものすごく自由にやっているように見えるが、ワンピースを手に入れ海賊王になることそのものには縛られてもいる。そこまで拘る理由に関してはシャンクスが言うところのロジャーとの類似にかかっている訳だけど。
ラフテイルが果たしてルフィを笑わせるのかどうか。
読者にとっても未知のものを描くための変化としてルフィが変わったのだとすれば、今後の展開がルフィの内面へ踏み込んでいくものになるのならば、これまでのワンピースと、これからのワンピースの内容が大きく切り替わる転換点として位置づけられるかもしれない。まだわからない。ルフィ自身の物語として語られてる部分はこの大長編において極僅かで、尾田栄一郎の筆致がそれをどう描くのかまったく予想できないからだ。
ニカの自由を否定してこれまでのルフィの自由を手にするのか。
それとも海賊王そのものを否定するのか。
結末に向けて突っ走る中で、カイドウとの決着の比重が物語としてそこまで意味がないという事実(最強の座は大海賊時代における麦わらの一味の自由を担保するけど世界をひっくり返しはしない)を踏まえると、ニカによるバトルが面白い面白くない以上にこの展開には不安がある。長年付き合ってきたストーリーだけに……。
世界はレートで動いてる。
— 狐島本土 (@fox_mainland) 2022年3月27日
第43話 交換レート - TATTOBI ~あの百合を眺め育てて尊びたい~ - カクヨム https://t.co/CZ7HtYxIkO
お弁当のおかず交換文化は、難しいと思ってる……。