ONE PIECE 第110話

“夜は終わらない”を読み返しました。

 

Mr.5とミス・バレンタインが登場。

 

ゾロに敗れたイガラムが大切な使命があるから朽ちる訳にはいかないと立ち上がろうとするところにやってくる敵。バロックワークスの内輪揉めとしてはじまるエピソードはここまでの話とは違い麦わらの一味のだれとも無関係と言う形で新しい切り口だったりする。

 

ここにどう絡んでいくか。

 

少年マンガの主人公の多くがいい意味でお節介だから無関係なことにも首を突っ込みがちなんですが、この話ではナミが金稼ぎに乗り出す非常に自然な動機付けを持ってきてるのが秀逸だと思う。まぁもっとも、これはルパン三世辺りから悪人が善性の行動を取ることの鉄板要素ではあるんだけどね。ストーリーとしての綺麗さと、実利を得る強かさのバランスが痛快さになる。

 

その意味ではあんまり儲けない麦わらの一味は弱い。

 

大秘宝を狙ってるんだからもっと読者をワクワクさせるモノとしての宝に出会ってもいいと思う、って話はどっかでしたけど、ワンピースそのものの価値を相対的に下げさせないためか具体的なお宝描写は避けてるのはコンセプトとしては理解できるって話もたぶんもうした。

 

我が社の社訓は“謎”…

社内の誰の素性であろうとも決して詮索してはならない

ましてや社長の正体など言語道断

 

そんな訳でビビ側の問題としてMr.5が語る事件の発端。まぁ給料はちゃんと出てるんだろうけど、バロックワークスの構成員達はよくこのシステムで納得してるよな。結果論として謎の社長が七武海のクロコダイルで実力者だからいいけど、仮に2年前バギーだったら海軍には対抗できないし終わってた。

 

ルフィ抜きで海軍が事件を察知した場合でも戦闘になればスモーカーの相手できたのクロコダイルだけだろう。海楼石の檻に閉じ込められた件はルフィのドジだし。内戦と言う意味でアラバスタ王国の崩壊は止められなかっただろうけど、今のストーリー展開を考えると世界政府はアラバスタが滅びてくれた方が良かった的な流れになりそう。

 

ドレスローザもたぶん同じ。

 

ともあれ王女であることを暴かれるビビ。ハナクソで爆破する男。一気に混迷する状況にイガラムは対抗することができず、ゾロに理不尽な願いを申し奉る。

 

まつるな!

知るかよ

手を離せ!!

 

この辺シリアスなのにテンポ良すぎてギャグになってる。いや唐突な過剰敬語がそもそもギャグ? まぁ鼻空想砲の時点でガチ感は出しにくいか。殺そうとした相手に助けを求めることにほぼ逡巡もなにもなくて、イガラムの必死さは相当なんたろうけど。

 

莫大な恩賞。

 

その話のった♡

10億ベリーでいかが?

 

イガラムの口約束にふっかけるナミ。カタクリの懸賞金に匹敵する額と考えると値段設定がエゲツないと言うべきか、一国を救うことを考えたら安すぎると言うべきか。この金額設定は初期の割にインフレに取り残されてなくて悩めるいい値段だなと思う。そしてまぁ地獄のような苦労をして自分の村を買う金額の十倍とか他人に苦労を押し付ける場面では海賊っぷりが尋常じゃねぇと思う。

 

もっとナミの強欲っぶりは伸ばして欲しかった。

 

最近の展開をみるに常識人枠だし、ちょっといい子過ぎんだよねナミ。別に強くなんなくてもいいから、金に汚い路線で活躍してほしい。海賊らしさの生命線なんだよ。麦わらの一味の台所事情的な意味においても。