かぐや様は告らせたい 実写化成功の鍵は

藤原千花の扱いにかかっている。

 

もちろん成功の基準は色々な立場と色々な指標があるに違いないのだけれど、ここでは見られる映画になるかどうかについて語る。

 

ベストはキャラ消去だ。

 

はっきり言って、このタイトルは実写化向きだ。恋愛に主眼があり、若い美男美女と言うひねらない設定で、かなりの部分で室内劇。予算を食う要素が少ない。さらにセリフは内心が多いのでアフレコで対応ができる。編集力で相当よく見せられるはずである。

 

その意味で成功の可能性は高い。

 

だが、藤原千花だけは違う。

 

彼女のビジュアルとキャラとしての行動はマンガすぎてアクが強い。これは相当の演技力か、相当に天然で好感を持たれる若手巨乳猫撫で声女優を配さねばならない。無謀だろう。

 

演技力のある若手がアホを演じる意味がない。

 

いや、女優としてアホを演じられる凄みを見せつける意義はあると思う。だが、映画のストーリー上でその凄みが生きることもないのが問題だ。ぶっちゃけ添え物にしかならない。オリジナル脚本でメインに持ってこようものなら非難轟々は目に見えている。

 

藤原千花はいなくても話は回るのである。

 

マンガやアニメでは必須だ。それはわかっている。コメディの緩急を一手に担い、笑いを取り、場面を賑やかにする。欠かすことができない存在。だが、実写において彼女のビジュアルを再現できる女優が稀有で、さらに笑いの面でキャラクターを演じられるレベルとなれば正直いないだろうと言うのが真実だと思う。

 

だから最初からいない方が脚本的にも安心だ。

 

原作が凡百のラブコメから抜きん出た原動力が藤原千花なのは間違いないが、抜きん出た方向はギャグなのであえてやらなくてもいいという話。バレーとかCGで再現してウケるとは思えない。体当たりでやるなら気概は買うけれども。

 

怪我するよね。二重の意味で。

 

とは言え、登場人物が多くない作品の若手女優ねじ込みポイントであるキャラを消すのが現実的ではないことも確かだ。そんなラインを成功の鍵としたらもう失敗確定である。藤原千花は出る。そしてギャグに挑む。上手くいくかは演出次第。そこは受け入れるべきだろう。

 

藤原千花を恋愛に絡ませない。

 

と言うわけでここを成功のラインとしたい。原作のすべてを尊重するのは無理だろうが、まぁ三角関係みたいなことになってなければ良しとしていいんだと思う。観客はアイドルの白銀を観に来るんだろうから、努力してかぐやに釣り合う男になろうとする物語であれば実写化として間違ってはいない。キスシーンすらなしの恋愛映画になるのだから、かぐやはむしろ空気でもオッケーだ。高嶺の花の内心がちょっとお可愛いぐらいでいいと思う。

 

無理に笑いを取りに行かない方がいい。

 

素直に恋愛映画にして花火で〆。

 

手堅くやってくれればそんなに失敗はしない内容のはずなのだ。両思いの2人が多少のすれ違いをしつつも、やっぱり両思いであるという話だから。奇抜さも話題性もそんなにいらない。藤原千花にちんちんを言わせる必要もないと思う。カップルが見に行ってちょっと照れ臭くなるような甘酸っぱいデートムービーに仕上げるのが穏当だ。

 

成功してほしい。

 

9月公開ってことはアニメ二期がその辺りってことでしょ? 主題歌に鈴木雅之とか変な力の入れ方してると思ったけど、これかなりマネーが動いてる企画だ。ならば実写がうまくいけばアニメ三期四期も見えて来る。

 

銀魂で通った道だ。

 

アニメ好きなら実写を応援すべきだ。

 

過去の名作が意味もなく浪費されるのはアレだが、同時進行のプロジェクトならば多少のイメージ違いくらい無視してアニメに金が回るように静かに成功を祈りたい。嫌なら目を背けて見なかったことにするのが平和というものだ。

 

僕はそうする!

 

藤原千花を演じる女優の胸のサイズとか気にしないよ! 石上のビジュアル絶対ヤバイけど気にしないよ! 金持ち学校の設定とかかなり厳しいだろうけど気にしないよ! 白銀父が笑えるだけのおっさん俳優でも気にしないよ! 早坂はきっと学芸会だけど気にしないよ!

 

気にしないよ!